prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「アンドレア・ボチェッリ 奇跡のテノール」

2019年11月29日 | 映画
視力障害を抱えながらオペラ歌手として成功するまでの紆余曲折を描く実話ものだけれど、苦難を強調し過ぎず周囲の親切と協力の方が目立つので安心して見られる代わりにややフラットな感じもある。

いったん歌をあきらめて弁護士を目指すのはちょっと驚いた。そちらの方がむしろ難しそうに思えるのだが。
「椿姫」の「乾杯の歌」を歌って実力を見せつけるところは曲調と共に胸がすく。

監督をイギリス人のマイケル・ラドフォードが務めたのはどういうわけか知らないけれど、前にイタリアを舞台にした「イル・ポスティーノ」を作った縁もあるかもしれない(アル・パチーノ主演の「ヴェニスの商人」なんていうのもあるが)。
ただセリフが英語なのは特にオペラにつながる時に興を削ぐ。

アントニオ・バンデラスが人間的な大きさを感じさせる導師・マエストロを自然に演じている。何歳かと思ったら59だからそれほどでもない。「沈黙の音楽」(これが原題)に耳を傾けよという教えが何だか東洋的に思えた。
恋人から結婚相手になる女性を演じるナディーヌ・カゼッリが美人。





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