prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「八日目の蝉」

2011年05月15日 | 映画
誘拐した女と誘拐された女の子の二人はさまざまな場所を転々とするのだが、キリスト教風のコミューンがオウム呼ばわりされるのが正しいかどうかはともかくかなり閉鎖的で気味の悪い印象なのに対して、小豆島の日本土着といっていいだろうお遍路さんや祭りが同じような宗教的行事でも二重の意味で「自然」に見える。

およそはやっていそうにない写真館の主人に田中泯をキャスティングしているので、この写真館が大事な場面になるなと思ったらその通りになる。ウィンドウに飾ってある家族写真が二十年近く経って変わっていないあたり、どこか時の流れから離れた能の翁のようなニュアンスもある。
ああいう写真が定着液の中でゆっくり浮かび上がってくる情感はデジカメでは出ませんね。

役者がそれぞれ、特に女優陣の演技が見事。男どもが無責任で性欲ばっかり強くておよそしょうもない扱いだが、大体あんなものでしょう。
永作博美と井上真央が血がつながっていない設定なのに割と顔立ちが似ているのにときどきあれっと思う。場面によっては明らかに似せて撮っているのではないか。

誘拐される赤ちゃんが泣き喚いていたのが泣き止んで笑い出すまでを粘ってごまかしなしで撮っているのがいい。
(☆☆☆★★★)


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