prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン」

2023年10月31日 | 映画
前半、オセージ族がつぎつぎと殺され、殺した者がわかったりわからなかったり、しかし直接手を下した者はわかっても黒幕はわからないという状態がずっと続く。このあたりのモヤモヤしたはっきりしない描写があとの伏線になっているわけだが、必ずしも伏線が解消されてすっきりとはいかない。

先住民(字幕では、はっきり「インディアン」と訳していた)にして大金持ちというかなり特殊な立場なわけだが、金持ちになったものでそれなりにいい暮らしをしていて、白人の方が使用人だったり立場がごっちゃになっている。

差別と貧困というのはセットみたいなものだが、差別されていてしかも裕福、しかもかなり単なる幸運の産物とあって、相当に嫉妬をかっているはずだがそのあたりは必ずとも表に出さないでかなり沈めて描いている。

社会派的な問題劇として描くのが一番体裁が良かっただろうけれど、そこから個々のキャラクターの振り幅へシフトした。

それにしてもディカプリオの意見が取り入れられてシナリオの主役が交代したというけれど、その書き直しの分の追加のギャラは出たのだろうな。