橋を渡って左が県立博物館、右にこの仁風閣がある。明治40年、皇太子(後の大正天皇)がこの地を訪問したとき、元藩主であった池田氏がその宿舎として建設したもの。いくら元藩主とはいえ、明治の40年までこれだけの財力を維持していたことに驚かされる。
歌碑の横にメロディーボックスがあった。「ふるさと」「春が来た」「おぼろ月夜」「もみじ」が聴けるようになっている。ちゃんとしたコーラス(ふるさとだけオーケストラ演奏)で音質も申し分なく、いい感じで楽しめる。
駅前の大丸だけは当時のまま建っていた。ただ、色はもっと白っぽかったように思う。依頼演奏の雇い主はたぶんこの大丸であったろう。この周りをパレードして廻ったのははっきり覚えているし、地元のテレビニュースにも映った。そしてこのデパ-トの中もパレードしたように思う。
この前ここに来たのは大学1年生の時だった。クラブ(応援団吹奏楽部)のバイト(依頼演奏)で無理矢理連れてこられた。泊まりがけのバイトはたぶん初めてだったから、いろんな事が記憶に残っていてもよさそうだけれど、ほとんどのことは忘れてしまった。特急松風に乗ったことは覚えている。旅行気分で浮かれていたせいか、2年生にこっぴどく叱られた。部長の高田さんが、自分たちが1年生の時は演奏旅行の時など網棚に寝るように命令されたりしたものだと、当時の理不尽なクラブの様子を話してくれたりした。