駒子の備忘録

観劇記と乱読日記、愛蔵コミック・コラムなどなど

宝塚歌劇宙組『アナスタシア』

2021年02月07日 | 観劇記/タイトルあ行
 宝塚大劇場、2020年11月7日13時(初日)、8日11時。
 東京宝塚劇場、2021年1月8日15時半(初日)、9日11時、19日15時半、2月1日15時半。

 20世紀初頭のロシア、サンクトペテルブルク。ある冬の夜、ロシア皇帝ニコライⅡ世(瑠風輝)の末娘アナスタシア(天彩峰里)は、大好きな祖母であるマリア皇太后(寿つかさ)から小さなオルゴールを手渡される。「このオルゴールから流れる音を聞いたら、私を思い出して…」そう言い残して、皇太后はパリに移住する。時は流れ、17歳の美しいプリンセスへと成長したアナスタシア(星風まどか)は、王宮の舞踏会を楽しんでいる。そこをボリシェヴィキが襲撃して…
 脚本/テレンス・マクナリー、音楽/ステファン・フラハティ、作詞/リン・アレンス、潤色・演出/稲葉太地、音楽監督・編曲/太田健、編曲/高橋恵、訳詞協力/高橋亜子。2017年ブロードウェイ初演、全2幕。

 大劇場初日の感想はこちら。2万字も書いていますが、結局東京公演でも大きな変更はなかったので、修正要望などについてはここでほぼ書き尽くした感じがあります。「ル・サンク」にも脚本は載らなかったようなので、ねちねち赤入れもできませんでした。残念です。
 アニメは見ていないのですが、その元となった『追想』という映画は見ていて、これはアーニャ役のイングリット・バーグマンとディミトリに当たる役のユル・ブリンナーがいつ恋に落ちたのかよくわからないうちにラストにトートツにマリアをおいて出奔するので、私はけっこう呆然としたものでした。それからするとアニメ、ミュージカルとどんどんロマンチック度が上がっていき、さらに宝塚歌劇版ではブロードウェイ版からディミトリが主人公格に改変されて、ますますラブ度が上がっていると思います。なのでもう一押し、丁寧に作り込んで、より完成度の高いロマンスに仕上げてもらいたかった…と本当に思っています。現時点では、大味で薄っぺらい話だったな、とか、良かったんだけどなんか細かいところがいろいろよくわからなかったな、という印象を持つ観客もかなり多数いるように思えるんですよね、私調べでは。そしてそういう印象になるのもむべなるかな、という仕上がりになってしまっていると私は感じているのです。東京公演で脚本・演出にまったくブラッシュアップがなされなかったことに関しては、私はかなり恨みを持っています。契約や権利関係がどうなっているのかわかりませんが、今後また再演されるようなことがあったら、そのときにはもっとちゃんといろいろ手を入れてほしいなと切に願っています。あたらこれだけの素材を、もったいないですよホント…

 さて、では以下、主に生徒の感想を。あとは前回書けなかったフィナーレについてなど。
 
 ゆりかちゃんディミトリ、いいよねホントいいわよね! ニンに合っているキャラクターだったな、としみじみ思いました。後輩がつぶやいていたのですが、だいもんがやるディミトリだと目が暗そうで不幸の予感しかしないし、珠城さんだと真面目っぽそうで詐欺師感があまり出ないし、れいちゃんだとジゴロ感が漂っちゃうし、こっちゃんだと熱く告白されて真っ直ぐハッピーエンドになっちゃいそうで、なのでゆりかちゃんだったからこそ!と思えたとのこと。まったく同感です。イヤ実はけっこうなんでも上手くこなすタイプのスターだと私は評価しているんですけれど、でもなんか好みにスポッとハマりました。それと、本来アナスタシアがヒロインかつ主役である物語に対して、ディミトリ主役にある意味むりやり改変した中でのバランスや存在感が絶妙だった、ということもあるかなと思いました。それもゆりかちゃんが、もちろん必要とあればやるんだけれど、でも必要のないときは俺が俺がとならないタイプの、おおらかで懐の深いスターさんだからかな、と思います。
 アナーキストで、のちに強制収容所で死んだ父親に育てられた少年、というのがディミトリの生い立ちですが、このアナーキストっていうのがまずいいんですよね。だって政府が腐敗しているときの反政府主義者、無政府主義者ってヒーロー方じゃないですか。そもそも私はアナーキストとかコミュニストとか社会主義者といった言葉を昭和の少女漫画で覚えたクチで、それはいずれもマイナスのイメージで描かれていたものではまったくありませんでした。弾圧に耐える正義の人、理想に燃える闘士といったニュアンスが強かった気がします。テロリストとかファシストとは違う。それが根っこにあるので、志ある素晴らしい親に育てられた、痩せて汚れてはいても明るい瞳の健やかな少年、というイメージが立ち上がるのでした。
 ディミトリが見たパレードは戦勝記念だか皇室記念行事だかのときのものでしょうし、まだ幼かった彼はおそらく父親に同伴されて見物に行ったのでしょう。父親がパレードに向ける視線は決して好意的なものではなかったと思われます。でも彼は投石などの暴力を振るうようなことはしなかったし、息子がパレードのきらびやかさに目を奪われてはしゃぐのを止めなかったことでしょう。だからディミトリは馬車の上で微笑む小さな末娘に手を振り、その名を呼んだ…
 これがホテルのアーニャの部屋での「幾千万の群衆の中」の名場面っぷりに結実する、素晴らしいですね。ちなみにユスポフ宮殿でアーニャが「夢の中で」を歌うときも、ネヴァ河畔で「あの日の12月」がリプライズされるときも、舞台奥に踊る男女の白い影が映像で幻想的に写されますが、この場面ではそれはないですよね。そういう回想とか幻想のイメージ映像の手助けが要らないくらい、それでも「あの日のパレード」と馬車の上の少女と沿道の少年を観客の目に浮かばせるゆりかちゃんディミトリとまどかアーニャの歌と演技が素晴らしいです。ディミトリのなんてこたないパジャマ姿も素敵。ここのぼかしたセリフも素敵(だからこそ他のもっとクリアに語るべき部分はより明確なセリフにする必要があるのですが)。惹き寄せられるように近づいて、キスしちゃいそうな空気になって、でもハッとなって跪き頭を垂れて「皇女様」と呼んで敬意を捧げる男と、その彼の肩に手を差し伸べる女…美しい。ディミトリはのちに皇太后に会っても、お礼を言ったり謝ったりはしても頭は下げませんでした。だからこそこの二度のお辞儀が効いてくるのでした。
 私がディミトリの台詞で特にいいなと思っているのが「俺は…俺は人生で初めて褒美をもらったような気分だよ」みたいなヤツです。「俺は」を二度言うのがすごくいいと思う。宝塚歌劇の脚本では残念ながらこういう繰り返し、重複にはほとんど意味がないことが多く、私なんかはなら取れよと毎度思ったりするのですが、これには意味があったと思います。ちゃんと強調できているし、言いながら移動しているということもあるけれどタメにも意味がある。
 オペラ座に黒燕尾で現れたディミトリは、そりゃ似合っちゃっててカッコいいです。まさにりゅうとした着こなしです。『エルベ』のカールがどんなに着崩しても品が出ちゃっていたように、それはもう上級生タカラジェンヌの必然であり、ここは舞台の嘘として目をつぶるべき箇所なのでいいのです。ヴラドに冷やかされ、ドレスアップして現れたアーニャの美しさに動揺し、タイを直してくれようとする彼女の手を払って、エスコートの腕を気取って差し出すディミトリ、そしてふたりを見送るヴラド…ロマンスの種は確かに育っていて、でも当のふたりは無自覚なままで、マリアに認めてもらうという目的に突き進んでいる。アーニャがマリアに会っている間のディミトリのおたおたっぷり、出てきてわめくアーニャに一言も言い返せない様子、さらに出てきたマリアに言いつのり捨て台詞を吐いて去り、アーニャの部屋に戻るとそこに再びマリアが現れて…祖母と孫娘の再会を心から祝し、しかし報奨金は要らないと突っぱねるディミトリ。お金目当てで始めた詐欺だったのに、嘘から出た真で彼女は本当にアナスタシアだった。その真実こそがご褒美、愛した彼女の幸せこそが幸せで、自分の願い…貧しく、報われることの少ない人生を送ってきた詐欺師の青年が、やっと手に入れたもの。だから彼は空手で、さよならも言わずに去っていくのでした。たまらん…!
 でもだからこそラストのやりとりももっと丁寧にだな…とまた言いたくもなりますが、でもゆりかちゃんディミトリが本当に素敵なので、もういいです。貧困で裏家業に手を染めても世をすねきれずワルになりきれず、優しさや誠意みたいなものを持ち続けてきた、甘いと言われればそれまでだろうけれど強く、また潔い男。ゆりかちゃんはそんな素敵な男性像を力みなく、軽やかに体現してくれていました。本当に惚れ惚れしました。好きです(突然の告白)。

 そして私が好きなまどかアーニャの台詞は「おかしいわ」です。
 アナスタシアもマリアもちょっとやんちゃというか、あまり皇族らしくない皇族だったのでしょうが、それでも周りには彼女たちを皇族と崇め奉り、どんな理不尽に思える言葉や命令にもハイハイと従うだけの人々が多かったのでしょう。だから自分の言葉を常に肯定されることに慣れてしまう。アーニャも「やればできるさ」のくだりではヴラドに意見を否定されて、そういうことには慣れていないとキレていました。でもここでは、自分の意見が否定されないことに慣れるべきだなんておかしい、間違った意見なら否定されることは自然なことだ、といういたってまっとうなことを言える女性に成長しています。
 アーニャの記憶は結局のところ戻らないままで、でもまだらに思い出される記憶が明らかにアナスタシアのものなので、やはり彼女はアナスタシアではあるのでしょう。けれど彼女には記憶を失ったあとに、自分の手で稼ぎ自分の足でロシアの半分を歩いて移動した年月があり、それが彼女をただの皇女アナスタシアから今のアーニャというひとりの、賢く聡明で美しい女性に成長させているのです。記憶が戻ってただ皇女の座に納まる、のではなく、さらにその先へ行くのがアーニャなのです。おかしいことにはおかしいと言える人間に成長した彼女は、離れていても家族のままだと信じられる家族に再会できたからこそその祖母のもとを離れ、愛する男のところへ行けるようになったのです。
 見たのがだいぶ以前なのでちょっと記憶が怪しいのですが、『追想』では主役ふたりのラブがわりとトートツに見えたのと同様に、アーニャが本当にアナスタシアだったのかはけっこう怪しい、というように演出されているように私には見えました。そしてそれも素敵だなと思ったんですね。アーニャが本当にアナスタシアだったのかどうかということにはあまり意味がなくて、でもそんなアーニャとディミトリが出会い恋をしふたりで歩き出すことを選んだ、というドラマが素敵なんだと感じたからです。でも確か梅芸版のブログラムはアーニャのことを「記憶をなくしたアナスタシア」と説明しちゃっていて、ソコそう断定しちゃうんだ!?味気ないなー、無粋だなー!とちょっと憤慨したものでした。宝塚版はそこはまた違った意味であいまいというか、なんせ全体に薄ぼんやりした脚本なのでどっちに振って演出している、ということも残念ながらないように見えますが、全体としては最後に家族で記念写真を撮って本の中にしまわれていっておしまい、となるので、トータルでよりお伽話感があるのはいいのかな、と感じました。じゅっちゃんアナスタシアもまどかアーニャも同じ写真に収まっている、というのは本当はちょっとシュールなことで、現実にはありえないそうしたことも含めて、素敵なファンタジーに仕上がっているのだな、と思ったのでした。そして全体がファンタジー、お伽話だったからこそ、中の主役ふたりはリアルに成長し変化しリアルに恋愛したのだ、となっているとなおよかったのだろうな、と思ったということです。
 とまれ、まどかは歌は絶品で生き生き死していて、まあのびのびとまではいっていないけれどそれはもう仕方ないのかもしれないし、でもホント言うとテクニカルな意味では台詞が早口になりすぎて滑ったり浮いたりしがちなのは役者の技量として改善してほしいのだけれど、とにかく可愛らしくてひたむきでいじらしくて心から応援したくなる素晴らしいアーニャだったので、私は満足です。専科への異動は組ファンとしては本当に残念なのだけれど、より大きな場が与えられることだと信じて、涙をこらえて送り出したく思います。そしてもし巷間噂されるように花組新トップ娘役に就任するのだとしても、ゴタゴタ言われるのをあまり気にせず、がんばっていってほしいなと願っています。応援してるよ、MSも行きたいよ!!

 さて、私の周りではわりと、キキちゃんとずんちゃんは役を交換した方が良かったのでは…という人が多く、私はちょっと意外に感じましたが、それだけずんちゃんがヴラドを好演していて役を大きく、美味しく見せているんだろうな、と思いました。まあ実際常にトップコンビと一緒にいる役なので、出番も多く目立つ役ではあるのかもしれません。でもここをキキちゃんにやらせちゃうと『オーシャンズ』とかと一緒じゃん、バディものはいろいろやってきたじゃん、となって、この配役だったのでしょう。『バレンシアの熱い花』みたいに1、2、3が徒党を組む(笑)場合もまれにありますが、基本的には主役のトップスターに対して2番手が親友役なら3番手は仇役、2番手が仇役なら3番手が親友役に回るのはもう配役としてパターンなので、仕方ないですよね。そして私はキキちゃんは、グレブをすごく上手く演じていて、この出番もそう多くないしそんなに描き込まれてもいないしぶっちゃけしょっぱい仇役を力わざでとても深いものにしていて、さすがの大熱演大健闘だなと感心していたのでした。父の息子としての意地以上に恋と執着を見せて、作品のロマンス度のアップにしっかり貢献していると思うんですよね。なのでそこは高く評価してあげたいです。しかしどなたかが言っていましたがもうジェンヌ人生の半分を2番手として過ごしているんだそうですね…たまにそういう生徒もいるものですが…ゆりかちゃんが相手役を替えてもうしばらく続投するなら、ホント辛抱どきですよね。でも、しんどいんだろうなあ…
 一方ずんちゃんは、そもそもなんでも上手いんだけれど、さらに力の抜き方を学習して楽しそうにちょいと困ったおじさん役をやっていて、とても良きです。別箱主演作の中身に今ひとつ恵まれないことだけが玉に瑕だよね…でも、宙組初の生え抜きトップ目指して、じりじりとがんばっていってほしいです。

 そしてリリーそらね、もうホント今すぐ帝国劇場とか日生劇場とかに立てると思うし、マジで良き退き時を得て卒業しましょうよ外部で活躍しましょうよもったいないよ…と思います。トップになることがすべてではないけれど、まず絶対に宙組でトップになる目はないんだと思うし、そうしたらこんなふうに便利使いされている場合ではないと思うんですよ…イヤ本当に上手いし、もちろん男役に戻ればそこそこカッコいいんだけれど、でもやっぱりここでこの体格なのは弱みだと思うので…それでも当人は男役がやりたくてやっていて、もちろん楽しいんでしょうけれどね。イヤしかしホント上手い。舌を巻きます。キュートでチャーミングで、世慣れたちゃっかり感や多少のオバサン感まで上手い。でもアーニャに思わず跪いちゃったあと、「期待しすぎないでね、お嬢さん」となるにはもう一拍あってもいい気はしましたけれどね…あとフィナーレはなんとか着替えて男役で出してあげた方がよかったのではなかろうか…でもまあとにかく圧巻の出来です、それは確かです。

 役としてはここまでかな。マリアすっしーは『神土地』からの続投ということで、本当はもうちょっと歌える人がやった方がいいんでしょうが、まあいい感じではありました。
 皇帝一家はもえことあおいちゃん(河畔の幻想場面での歌声が絶品!)、四姉妹はアラレひろこかのちゃんと可愛子ちゃん揃い、アナスタシアの子役はじゅっちゃんでますます小さく幼く見せる技に磨きがかかり、皇太子アレクセイはららたん、こってぃに抱っこされて深遠な台詞を吐くくだりは鳥肌ものでした…
 「ロマノフ男」のあきも、しどりゅー、あーちゃん、こってぃがディミトリの詐欺仲間にスライドする妙味は、いい。しどりゅーはネヴァ・クラブの門番みたいな役もやっていますが、まあこのあたりの男役スターはみんな役や出番としてはしょっぱいやね…
 バレエ場面ではかのちゃんオデットのチュチュの半径をもっと大きくしてくれよちんちくりんでみっともないな、とは声を大にして言いたいですが、東京では客席からレベランスに拍手ができるよう改変されて吉。ただしSEも残した方がよかった。キョロちゃんジークフリートときよちゃんロットバルトのバレエの技量の素晴らしさも特筆ものでした。バレリーナは他にひろことさらちゃん、もうひとりはABパターンで入れ替わりかな?
 あとはさおが顔で選んだに違いないボリシェヴィキの美男美女たち、まっぷーとりんきらの手堅い仕事が光るくらいでしょうか。もちろん組ファンはバイト探しも楽しむんだけれど、そして生徒たちも楽しんで細かく役作りして作品を下支えしていたと思うのですけれど、宝塚歌劇としてスターを楽しむ、という部分はどうしても後回しにされてしまっている演目でした。新公もないし、あとあと響かないといいけどなあ…という心配は、あります。やはり綺羅星のごとくいるスターたちを生かした、オリジナル当て書きでこのレベルの作品を、常に上演してもらいたいものですね、劇団さん!

 フィナーレはずんちゃんの歌唱指導から。パッと空気を変えたいところだというのはわかるんだけれど、しかしこのお衣装の突飛さはどうなんだ…サルエルの色違いみたいなものにした方が、まだ統一感が出たかもしれません。
 しかしせっかくの長身揃い脚長揃いの宙男にわざわざサルエルパンツを履かせるセンスが理解できません…カッコいいけれども! 黒と赤のロシアふうのハイウエストのドレスで決めた娘役さんたちは、ゴージャスでシックでとても素敵。男役群舞では、ゆりかちゃんが引っ込んでキキちゃんターンになったあと、再度娘役たちがざかざか出てきて男女カップルになってみんなでガンガン踊る流れも素敵でした。
 そして水色?のお衣装でのデュエダン。まどかにゃんは上手スッポンからのセリ上がり、からの本舞台センターに出てきてさっとしゃがんでゆりかちゃんが階段を降りてくるのを待つ、みたいな振りがすごく好き。たいして踊っていない振りでそれは残念なんだけれど、銀橋に出ていくときも上下で別れる形ではなく、手を取り合ってふたりで下手から出ていく振りで、キュンとしました。ラインナップもちゃんとトップコンビの会釈で終わって、よかったです。
 いいトップコンビだと思うんですよね、大人っぽい持ち味のゆりかちゃんに対してまどかがロリっぽすぎるとさんざん言われましたが、まどかってけっこう声は低いしあまりきゃいきゃいしたところがない娘役さんで芝居も大人っぽい役の方がハマるタイプだし、その意味で芸風は似ていて、でも顔のタイプが面長と丸顔で違うのもちょうどよかったと思うのです。まあゆりかちゃんは相手のタイプを問わないタイプの男役だからかのちゃんでもちゃんとハマるとは思うんだけれど、やっぱりちょっと残念ですよねこれで解散とは…と思ってしまうのでした。
 あとパレードでまどかに劇中のドレスを着せたのは許せん。キキちゃんもグレブの軍服だったならわかる、ゆりかちゃんだけがトップとして本編のキャラとは関係なくきらびやかなお衣装だというならわかるのです。でも男役ふたりが本編とは関係ないお衣装で、まどかだけがアーニャのドレスって、1着日和ってんじゃん、って気しかしません。タイトルロールだからこそあえて、なのかもしれませんがそんなふうには思えません。トップ娘役を大事にしない劇団に未来なんかない。東京公演からでも変えてほしかったです。新調じゃなくても、紫のドレスなんていくらでもあるやろ! ケチんなや!!

 緊急事態宣言が出て開演時間が前倒しされたので、平日の入りは残念ながら厳しいようです。ああ、もったいない…私も今後どこかからこぼれてきたら追いチケするかもしれませんが、とりあえず見納めてしまったので感想をまとめました。千秋楽のライビュは見られるかちょっと予定がわからず…見られたら、また追記するかもしれません。

 次はブリリアとそらのバウか、どちらも楽しみですね。ゆりかのも応援していきたいです。そしてまどかもMSだけでなく、どうせなら専科としておもしろい仕事をひとつふたつして欲しいなーと願っています。ホント愛ちゃんのマノンでもおもしろいかも。それか今度こそまともな娘役主演のバウ公演とか。いろいろと期待しています、変わらず応援し続けます。引き続き体調に気をつけて、どうかみなさまご安全に…

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