駒子の備忘録

観劇記と乱読日記、愛蔵コミック・コラムなどなど

宝塚歌劇星組『New Wave!-星-』

2018年09月01日 | 観劇記/タイトルな行
 宝塚バウホール、2018年8月30日14時半。

 星組によってこれまで上演された作品の名場面を再現するとともに、古今東西の名曲に乗せてライブ感あふれるステージを贈るエンターテインメント・ショー・
 作・演出/三木章雄。

 花組版の感想はこちら、月はこちら、宙はこちら、雪はこちら
 足かけ五年で全組回りましたね。私にとって最もアウェイの組でもあり、過半数は知らない下級生さん…という、普通に考えてもかなり若いメンバー構成になっていると思いましたし、ミキティの息切れ具合もハンパなく、その意味ではやや残念な公演ではありました。でも、出演者のキラキラを楽しんできました。みんながんばっていたし、組ファンはもちろんもっともっと楽しんでいることでしょう。
 しかし本当にミキティのスタンダード・ナンバーの引き出しって20曲くらいしかないんじゃない? 暗転ブツ切り脈絡なしの構成も手抜きさがより増し、どんどんひどくなっているなと感じました。まだ本公演に戻ってくる気があるのなら、もっと新しい曲やダンスを取り入れる勉強をしていただきたいです。てかショー作家増やそうもっと! こういう老作家に頼ってる場合じゃないですよホント!!

 というわけでわりとパラパラとした感想しかないので、主に出演者の感想を。
 せおっち、ホント垢抜けてきましたよねー。私は好きでも嫌いでもないんだけど(^^;)、いい人っぽそうなところとか、みんなが大好きなのはとてもよくわかります。れいちゃんもまこっちゃんもとっとと就任しちゃえば、マイティーもせおっちもそのまま二番手でそのまま…ってできると思うけどなー、どうなんだろうなー。
 そしてしどりゅーこそホントなんでもできる人ですよね! 個人的にはなんか星組っぽくないというか、ちょっともったいない気もしているのですが。ナウオンでの話の回し方や気の遣え方がハンパなかったし、歌声が意外に低いのもいいし、本公演でももっと使われるといいのになー。かとりーぬとの「ひとかけらの勇気」は素晴らしかった! あと、女装せおっちを相手に回してのタンゴもとてもとてもよかった!!
 そして立派に三番手格だったかりんちゃんですよ、もー最近メロメロですよ、ホント天真爛漫っつーかアホの子っぽいところがホントたまらんです! 自分がこういうタイプに惹かれるとは意外なんだけど、もうもう目に付いちゃって離れないというか。
 未だスペックだけのところはあるし、せおっち、しどりゅーと並ぶと明らかに垢抜けていないんですよ。あとちょっとだけひねればもっと綺麗なのに、とかあとちょっとだけまっすぐだともっと綺麗なのに、みたいなところが全部、隣のふたりはできていてキマっている。でも、その至らなさまでもが愛しい(笑)。ダンスとかもまだまだ楽しいです!とかがんばってやってます!だけみたいなところはあるんだけれど、そんな中でも「こう踊りたい」という意志や形が見えるときがあって、たとえそれが今はできていないということの裏返しだとしても、そういうイメージが持てている、それが伝わるということがとてもすごいことだと私は思っているので、けっこうハッとさせられるのでした。
 娘役ちゃんに囲まれてただただ素敵な王子様として立つブルーのスーツの場面もよかったし、そこからMJを挟んでの「SUPERSTAR」とかなかなかできないことだと思いましたよ! そういう、まだよくわかってなくて舞台度胸だけでやっちゃってんじゃないの?ってとこも愛しいし、それでも一場面ソロできちんと保たせているのがすごいし、そして歌が伸びやかでまっとうでとても普通にちゃんとしていて頼もしい。これだけ資質があるけど歌はアレレ、って若手スターの卵ってけっこういるから、この点だけでもアタマひとつ抜けていると思うんですよねー。
 メンバー紹介では学年順でしたがパレードがちゃんとしどりゅーの前だったのも胸アツでした。大事に育ててほしいです。
 娘役の不動のDIVAはかとりーぬ、素晴らしすぎました! 新公なんかでも知ってはいたけれど、きぃちゃんとかゆきちゃんとか知られた歌姫は他にも多数いるけれど、彼女の歌唱力はもっともっと知られていいし誇られていいですね。てか本公演でももっと使ってあげていただきたいです。
 ヒロイン格は桜庭舞ちゃんかな、こちらも歌姫ですよね。新公ではヒロイン近くもやったことがないと思うし、場数はそんなに踏んでいないはずなのですが、男役と組んでの娘役力も申し分なく、素敵でした。もうちょっと個性を強く出していってもいいのかな? 「典型的な娘役さん」みたいなところに収まってしまうのはもったいないかなと思いました。
 それから水乃ゆりちゃん、かな。長い首の美しさが以前から印象的な娘役さんでしたが、1幕ラストのタンゴなどダンスも素晴らしかった! ここのお衣装もとても似合っていましたし。逆にすごく似合わないお衣装もあって、あの首とデコルテの形はなかなか難しいのだなと思いました。そういえば私が観た回は星蘭ひとみちゃんがご観劇でしたが、新公ヒロインは一本かぶりではなくこのあたりも起用していくといいのになーと思いましたよ…

 上級生格としては朝水りょうくん、声が低くて渋くていいですねー! そして美人。それから天希ほまれくん、こちらも美貌でしたねー!
 そしてひとり悠々と「セ・シャルマン!」を歌ってのける遙斗勇帆、噂の研99(笑)。天路くんや朱紫くんや颯香くんや夕陽くんの濃さもいい。そして奏碧くんのえくぼがやっぱり素敵。
 他の娘役ちゃんたちも、このあたりはたいていセットで出てくるのでアレでしたが(都優奈ちゃんはややピックアップされていたかな?)、わりとみんな顔立ちが違うタイプなのでだいたい識別できたかなと思いました。侑蘭粋ちゃんのパンとした感じが印象的でした。

 ナンバーは、せおっちMJのくだりがやはりカッコよかったかなあ。しどりゅーバードのジャズも素敵でした。
 「オルフェウスの窓」からこっちの、特にショー縛りとかではない星組クロニクルも、私は生ではシメさん以降しか観ていないのですがいろいろ懐かしくて感無量。
 客席降りだけでなく客席登場もたくさんあったのが楽しかったです。
 こうした公演は若手の力をすごく引き上げると思うので、今後ももっと若いショー作家でいろいろやっていくと楽しいのではないかしらん。劇団さん、期待していますよ!







コメント
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