駒子の備忘録

観劇記と乱読日記、愛蔵コミック・コラムなどなど

宮野美嘉『幽霊伯爵の花嫁』(小学館ルルル文庫)

2012年08月08日 | 乱読記/書名や・ら・わ行
 侯爵家の血を引く天涯孤独の美少女サアラは、幽霊伯爵と呼ばれるコルドン伯爵の17人目の妻として嫁ぐことになった。嫁ぎ先は墓地に囲まれ夜な夜な幽霊が現れるという場所で、妻に無関心な夫とよそよそしい使用人たちに囲まれ、けれどサアラはのびのびと毎日を満喫し…!?

 サブタイトルを変えてシリーズ既刊4巻まで、楽しくするすると読んでしまいました。
 ライトノベルというか少女小説のパターンには王道があって、まあハーレクインに近いのかもしれませんが、くっつくべき主役カップルにどう障害を設定するかがキモなのだと思います。
 逆に言うと、それをクリアしてくっついちゃったら終わり、みたいなところもあるわけですが、設定やキャラクターが立っているとシリーズ化が望める、ということですね。
 これはそんな典型の作品のように感じられました。
 そして特にキャラクター設定が際立っています。ヒロインは生い立ちとそれ故の性格設定が、相手役の男性キャラクターは職種とそれ故の性格設定が。
 それぞれなかなかない特殊なもので、ちょっと…いやかなりヘンで、マニアックで、でもとてもチャーミングです。おもしろいと思いました。
 ちょっとヘンすぎて、周りの状況も特殊なので、だんだん「何が常識なんだか」怪しくなりつつもあるので、たとえばエリオスとかには良識派としてがんばっていってもらいたいんですけれどね(^^;)。
 話がマニアックになりすぎると、読んでいて「これはさすがに正常じゃなくて、その正常じゃなさを笑って読む話なんだよね? ね??」と不安になるので…
 でも、サアラとジェイクがラブラブなことには変わりがないと思いますし、ニヤニヤしながら読んでいます。

 あとは、個人的にはエリオスの産みの母親とかについてほとんどスルーなので、そのあたりはいいのかなとかが気がかりですが…
 新刊を楽しみにしています。

コメント
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