オーソン・ウェルズって、身長は190センチもあるらしいんだけれども、映像で見ているとあまりそんなふうに見えないなぁ。確かに、リタ・ヘイワースと並ぶと、頭一つデカいので、やはり大きいのだろうけれど。顔がデカいという訳でもなさそうだし、本作ではそれほど太っている訳でもないし。何にせよ、ルックス的に(あくまで私にとって)どうもイケてないのである。
オープニングのシーン、夜、馬車に乗ったエルザにオーソン・ウェルズ扮する通りすがりのマイケルが、エルザの顔をジロジロ見ながら近づいていくんだけれど、これ、現実の一コマだったら、かなり怖い場面でしょ。これが成立する条件はただ一つ、マイケルが、相手の警戒心を緩めるような誰もが認める“イイ男”であること、な訳で。マイケルは、というより、オーソン・ウェルズは、どう見てもゴツくておよそ美男子とは程遠いルックスのオッサンで、ああいう男が深夜にあんな感じで近づいて来たらせいぜい物取りか何かと思われても仕方なく、ましてお金持ちの奥様なら尚のこと、警戒して馬車を全力疾走させるのがオチだと思うんですけど。というわけで、最初から私は躓いてしまいました、、、。
私生活上でいくらパートナーだからと言って、スクリーンで絵になるかならないかは冷静に判断してほしかったですね、監督さんには。
それを脇へ置いたとしても、本作は何だかヘンなお話です。一応、サスペンスだけど、粗が多すぎて、見ている方としては「は?」の連続。いくらカットしまくったからといっても、これはちょっとヒドいよなぁ。観客のこと、何も考えていないとしか思えませぬ。しかも、前半はかなり退屈。まあ、有名な、あの鏡の間の銃撃シーンは、確かに面白かったけれど。
『市民ケーン』も、私にはその良さがよく分からんかったが、本作もなぁ、、、。こんなこと書いたら、彼のファンに顰蹙を買いそう(?)だけど、どうも、彼とケネス・ブラナーって私の中ではイメージがダブるのです。どっちも、あんまし好きになれないし、、、。顔もちょっと系統が似てないですかね・・・? 下膨れな感じとか・・・。似てないか。
オーソン・ウェルズの、オーソン・ウェルズによる、誰のためでもない作品
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