映画 ご(誤)鑑賞日記

映画は楽し♪ 何をどう見ようと見る人の自由だ! 愛あるご鑑賞日記です。

モンテ・クリスト-巌窟王-(2002年)

2015-10-19 | 【も】




 無実の罪を着せられ投獄されたエドモン・ダンテスが、脱獄し、モンテ・クリスト伯となって、自分を陥れた者たちへの復讐を果たしていく、、、言わずと知れたアレクサンドル・デュマの『モンテ・クリスト伯』原作の映画化。

 後半~ラストに掛けては原作と別物のお話に。

 

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 『巌窟王』、、、小学校の時、読みましたよ。家にあった「世界少年少女文学全集」のうちの1冊でした。当然もう絶版になっているけど、今、ネットで検索してみたら、小学館から刊行されていたものが復刊ドットコムにリクエストされていて、「そう、これこれ!」と思って見入ってしまいました。

 とにかく、1冊がすごい分厚い本でしかも2段組みという、かなり手ごわい全集でした。装丁も豪華で、背表紙が世界の地域ごとに一部色分けされていて、小説のタイトルは確か箔押しされていました。花ぎれやしおりも背表紙の色ごとに違っていて、しかも1冊ごとにケース入り。それがずらりと並んでいるのは壮観でしたが、母親が結構、家計はキツくても、こういう全集は揃えてくれている人でした。そしてなぜか、揃えたのに、姉にも私にも、口うるさく読め読めとは言わなかった、、、。というと、どんな思慮深くて賢い母上かと誤解されそうですが、、、。まあ、そんな母親だったら、こんな娘に育ってないのは間違いないです。娘が大人になってからは、(親が言うとおりの)結婚しろしろ、、、、と、壊れたレコードみたいに言っていたけど、どっちかというと、幼少時に本読め読めと言ってくれた方がありがたかったような・・・。ちなみに、この全集は、もう大分前に母親が近所の公立小学校に全巻寄贈したと言っていました。

 というわけで、思い出のある原作です。確か、読書感想文もこれで書いたと思います。とにかく、エドモン・ダンテスという人に同情しまくってしまい、そしてその不屈の精神にガキんちょながら驚いて心の中でひれ伏したものでした。以前、何かの作品のレビューで「復讐譚は嫌い」と書きましたが、この話は別です。こういう、これこそ「ザ・不条理」という話の場合、復讐に燃えて当然です。、、、そうはいっても、そこはデュマ、やはり復讐の本質を描いていらっしゃる訳ですが、、、。

 ともかく、私なりに原作に対する確固たるイメージを持って本作を見たわけです。果たして、本作の内容は、、、。

 まあ、かなりソフトになってはいますけれど、私のイメージが大きく壊れることのない前半でした。、、、が、後半は、???な展開で、これはもう違う話になっちゃっていまして、ここまで話が変わっていると、別にイメージが壊れるも何もない、という感じでした。

 後半の、話の最大の改変は、かつての婚約者メルセデスと仇敵フェルナンの一人息子アルベールが、実はエドモンの子だった、という部分ですね。う~ん、これはまあ、賛否両論でしょうが、私的にはちょっと気に入らない。これで、本作は、少女マンガっぽくなってしまった気がします。原作は、男臭さ全開の話だけど、本作は最終的には乙女チックになって、本質的に全然異なるものになりました。これはこれで、面白いとは思いますけれども、、、、。やはり、モンテ・クリストとメルセデスが安易に元のさやに納まる、ってのは、私は好きじゃないわ~。

 とはいえ、そもそも、原作が長大な物語(岩波文庫で全7巻!)で、それを2時間の尺に収めただけでも凄いことです。しかも、物語として破綻もなく(いささか都合が良過ぎる部分もあるけれど)、見せ場はあるし、衣装や美術も見応え十分。素晴らしい。

 エドモン・ダンテスは、ちょっと、原作からいくとイケメン過ぎかもですね。ジェラール・ドパルデューも演じています(未見)が、そちらの方がイメージとしては近いかも。こっちのエドモンはカッコ良過ぎです。しかも、13年も投獄されていたのに、あの逞し過ぎる体はちょっと、、、。あんな粗末な食事と過酷な環境なら、骨皮筋衛門でなくっちゃ。

 モンテ・クリストになってからも、社交界にデビューするときのド派手っぷりが笑えます。あまりにも成金趣味で、いささか下品。原作の伯爵もそんなだったっけ・・・? とちょっと記憶が呼び起こせないんだけど、、、もうちょっと、教養のある眼光鋭い、それでいて金は無尽蔵に持っている、怪しい伯爵、というイメージだった様な気がするんですが。本作の伯爵は、あまり翳がありません。金持ちの、謎めいたひたすらイイ男、、、ちょっと少女漫画チックだよなぁ。

 そのモンテ・クリストを演じたのはジェームズ・カヴィーゼル。イイ男ですが、こういう屈託のある役にはちょっと爽やか過ぎる感じです。でも、あの『パッション』(未見)ではキリストを演じているのだというから、意外です。『マイ・プライベート・アイダホ』にも出ていたなんて、、、。全然知らなかった。

 敵役フェルナン・モンデゴを演じたガイ・ピアーズが、ジェームズ・カヴィーゼルのガタイが良過ぎるせいか、どうも貧弱に見えました。顔も細いしね。

 ジェラール・ドパルデュー、あんまし好きじゃないんだけど、ジェラール版モンテ・クリスト伯も是非見てみたくなっちゃいました。






気球に乗って現れる謎のイケメン伯爵





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