映画 ご(誤)鑑賞日記

映画は楽し♪ 何をどう見ようと見る人の自由だ! 愛あるご鑑賞日記です。

“絵金さん”に会いに行く ~大阪目的地のみピンポイントの旅~ ②

2023-08-06 | 旅行記(国内)

につづき

 

 絵金については、ネットにいろいろ情報があるのでここで書くまでもないのだが、私が絵金さんを初めて知ったTV番組では、確か“狩野派の絵師で、土佐藩の御用絵師として活躍していたが、贋作事件に関わったとして藩を追放され、街絵師となった”というような紹介をされていた。本名も「弘瀬金蔵」とwikiなどではされているが、何度も改名しているという話もあり、いろいろ謎多き人物である。

 絵金さんの絵は、歌舞伎や浄瑠璃のシーンを描いたものが多いのだが、美術的な価値が認められておらず、保存状態も良くないらしい。現在は、その多くは絵金蔵で保管されているようだが、民家や神社等に保管されている作品もあるらしく、その劣化が危惧されているとのこと。

 絵金祭りでは、民家の軒先に、絵金さんの屏風絵が陳列されて、蠟燭の灯で照らされる、、、ということも、前述のTV番組で紹介されていた。ほの暗い灯に浮かぶ血みどろ絵の映像が、実に幻想的で、俄然、興味を惹かれたのである。

 この展覧会でも、その絵金祭りの様子を再現した展示がされており、それを楽しみに見に行ったというわけ。

 

祭りでは参道に櫓を組んで絵を展示するのだそう(左の画像の裏が右の画像)

 

 参道をまたぐようにこの櫓が組まれていて、祭り客はこの櫓の下をくぐって歩いて行くのだって。

 

高知県香美市土佐山田町の八王子宮の夏祭りで飾られる「手長足長絵馬台」

 

 

 TVで印象に残ったのは、絵金さんの絵の“赤”。血みどろ絵と言われることもあるらしいけれど、赤は血の赤だけではない。どの絵にも必ずといっていいくらい“赤”が効果的に使われていて、その番組でも、“絵金の赤”と紹介していたような。

 屏風絵のほとんどは二曲一隻のようで、お祭りの櫓にはそれを二隻並べて飾っている。TVで見たときは、一隻を、軒先の地べたや土間に置いて、通行人が気の向くままに鑑賞する、、、みたいな光景があったように記憶しているが、会場内でさすがにそれを再現するのはムリだったのかな。

 

こちらは絵馬提灯「釜淵双級巴」

 

 絵馬提灯は、神社の参道を飾る。石川五右衛門が生まれてから、釜茹でにされた後までを26枚の絵で描いたもの。

釜茹でにされる五右衛門/釜茹でされた後の五右衛門、、、

 

 このほか、弟子たちが描いた作品も展示されていたけど、私は屏風絵の前を何度も行ったり来たりしながら見入ってしまって、気が付いたら、あっという間に2時間半以上過ぎていて、次の予定のこともあるので、慌ててグッズ売り場へ。

 掲示されていたポスターが欲しかったのだけど、「これは売っていないんですよ~」と店員さん。……残念。

ゲットしたお菓子とか、、、(あと絵葉書数枚買いました)


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 美術館を出ると、正面に展望台があったので、高所恐怖症だけど一応見学してみた。

 

 あんまし素敵な眺めとも思えず、さっさと通り過ぎて下に降りる。早く宿に行かねば、、、。


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 再び御堂筋線に乗って、今度は梅田駅で降りる。

なんか、東京の地下鉄の駅よりレトロ感や開放感があってステキ

 

 宿は、梅田駅から歩いて10分弱の所にあるのだが、事前に調べても、かなり行き方がややこしそう。宿のHPにはご丁寧に駅から地下街を抜ける動画まであるのだが、何しろ工事中で様子が変わっていてゼンゼン参考にならない。

 絵金展で予定時間をオーバーしてしまっていたので、ちょっと急ぎ気味にホームから改札へ上がる。大丸を目指して地下街を歩き出す、、、けど、全然方角が分からない。
 
 とりあえず、スマホの地図アプリでどっちの方角に向かって自分が進んでいるのかを見ながら、当てにならん表示は無視して進む。……と、その前に、阪神デパートの地下でスイーツをゲットする。大丸はもうええわ。

 で、再び地下街へ出て、一応、方向が間違っていないかだけをアプリで確認しながらひたすら歩いていると、宿の案内表示が見えて、もうすぐだと分かってホッとする。

 フロントまで上がるエレベーターで、大きなスーツケースを持った若い女性2人組と一緒になる。どうやら、韓国から旅行に来たみたいで、一緒にフロントへ行く。

レトロなエレベーター

 

 私は数分でチェックインが済んだのだが、彼女たちは何やらトラブっている様子、、、。大丈夫?と聞くと、ホテルの人が「ここは梅田で、お客様の予約されたのはなんばです」と言っている。同じホテルチェーンの別のホテルに来てしまったらしい。

 彼女たちとはそこでバイバイし、部屋へと向かう。とにかく、なんだかんだと結構疲れていたので一息つきたい、、、。

 

 買ってきたスイーツでコーヒー飲みながら休憩しよう!と、お湯を沸かそうとしたのだが、ポットが作動しない、、、。がーん。あんまし時間ないんだよぉ。でも、スイーツにコーヒーなしじゃつまんないので、フロントに電話すると「すぐ別のものをお持ちします!」と。が、なかなか来ないんだ、これが。

 仕方がないので、先にスイーツを食べ始めたところで、ピンポーン! と。作動するか確認します、と言ってくれたけど、もう時間ないから結構ですとお断りし、急いで電源を繋いで水を入れたら、ちゃんと作動した。良かった。

 結局、コーヒーもあまり落ち着いて飲めず、荷物の整理をして、再び外へ。

 

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 向かう先は、ザ・シンフォニーホール。たまたま、この日、在阪オケ、日本センチュリー交響楽団の定演があるということで、聴いてみることに。地方オケの演奏をライブで聴く機会はあんましないので。

梅田スカイビルが見える

 

 宿からは、歩いて10分ほど。てくてく地図どおりに歩いてすぐに着く。

 

ザ・シンフォニーホール

 中へ入ると、ロビーでアンサンブル演奏が、、、。

 

 人だかりが嫌いなのでスルー。ホール内へ直行。2階後方の3000円の席。

 

天井もステキ

 

 ホールの印象は、、、ちょっと小さい? 割と海外オケとかもよくここで演奏しているみたいだけど、後から調べたら座席数1704とのことで、なるほど、あまり大きくはないのだな。でもまあ、管弦楽のホールとしては、本当はこれくらいがちょうど良いと思う。サントリーは2000席以上あるけど、ちょっと大きいかなと思うこともある。

 指揮者の出口大地という人は、名前も初めて聞くし、キャリアもゼンゼン知らない人。1回聴いただけじゃ何とも言えないけど、指揮っぷりはオーバーアクション気味ながらグッとはこなかった、、、というのが正直な感想。イベールは良かったけど、指揮のおかげというよりは、そもそも良い曲だしね。ドボ6は曲想のせいもあるけど、やや単調でちょっと退屈だった。

 でも、私のこの日のお目当ては、ソリストの務川慧悟。21年のエリザベートで入賞して話題になっていたのだが、動画でちょっとだけ演奏しているのを見て、ライブで聴いてみたいなー、と思ったので。プロコのコンチェルトはピアノもヴァイオリンも面白い曲ばかりなので楽しみにしていた。

 で、実際聞いてみて、良かったです。正直、世界で活躍するにはちょっと地味かな、という感じはした。いや、技術的なことは私は分からないが、少なくとも弾けていないなんて感じた箇所はなかったし。ただ、素晴らしい演奏家は、上手く弾けるのは当たり前なので、結局、聴く人の心を動かせるかどうかが肝心になる。あとは運とか縁とか……、プロとして生き残るには、上手いだけじゃ難しいのよね。まだ若いし伸びしろはあるだろうから、今後の注目株ですな。

 あ、ホールの音は良かったです。サントリーより良かったかも。


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 終わって、宿まで戻る途中で買い物して、夕食はコンビニ飯。お腹の調子もイマイチだったし、今回の旅では食べ物は二の次三の次。

 グッタリ疲れて、さっさと寝ました。
 

 

③につづく


 

コメント (5)
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