映画 ご(誤)鑑賞日記

映画は楽し♪ 何をどう見ようと見る人の自由だ! 愛あるご鑑賞日記です。

青いカフタンの仕立て屋(2022年)

2023-08-05 | 【あ】

作品情報⇒https://moviewalker.jp/mv81303/


以下、上記リンクよりあらすじのコピペです。

=====ここから。
 
 ハリムとミナは伝統衣装であるカフタンドレスの仕立て屋を営んでいる。ハリムは仕事を愛しながらも、自身を伝統から弾かれた存在であると苦悩し、妻のミナはそんな夫を誰よりも理解し支えてきた。

 しかし彼女は病に侵されており、彼女に残された余命は残りわずか。そんな2人のもとに若い職人ユーセフが現れ、3人は青いカフタン作りを通して絆を深めていく。

 ミナの最期が刻一刻と近づいていくなか、夫婦はある決断を下す。

=====ここまで。


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 本作は、見てからもう1か月以上経ってしまった、、、ごーん。感想を書けないまま時間ばかりが過ぎてしまったのだけど、なかなか良い映画だと思ったので、サクッと感想を書いておきたい。

 上記あらすじにもあるとおり、ハリムとミナは仲の良い夫婦なんだが、ハリムは同性愛者であるということが割と序盤で分かる作りになっている。彼自身がカミングアウトするシーンはないけれども、それを示唆する描写が序盤からあちこちにあり、中盤でユーセフとのやりとりで明解となる。

 本作の紹介では、イスラム教社会での同性愛者が主人公であることが前面に出ているけれど、蓋を開ければ、夫婦と若い男との三角関係を描いたシンプルなメロドラマである。あまりイスラム教とか、同性愛のタブー性とか、それは背景ではあるが、ストーリーや人間の描写については実に普遍的なものであると感じた次第。

 ハリムは自身の性的嗜好に葛藤はあるのだけれども、イスラム社会だからとりわけその葛藤や苦悩が深い、、、という描き方はしていない。妻のミナはそれを知っているし、ハリムは共同浴場で性的欲求を解消することもしている。もちろん、おおっぴらではないが、それはイスラム社会でなくても、欧米でも、もちろん日本でも似たり寄ったりではなかろうか。市民権を得てきたとはいえ、同性愛者が皆、屈託なく自身の性的嗜好をオープンにできる社会になっているとは言い難い。

 最終的に、ミナは病で亡くなり、紆余曲折あったものの、カフタンの仕立て屋はハリムとユーセフの2人で切り盛りしていくことになる。私生活でも2人はパートナーになるのだろう。もちろん、表向きは店の主人と従業員という関係だけれど。

 ときどき映画やドラマで、妻や夫が死ぬときに遺される配偶者に「自分が死んだら、良い人見つけて幸せになって」とか言うシーンがあるけれど、本作はそういうベタな展開はないけど、それに通じるものがあるかなと。特に、若くして亡くなる場合に、こういうシーンが見られる気がするのだが。

 自分ならどうかなぁ、、、と考えてしまった。もうこの歳だと、今さら他のパートナー見つけてよろしくやりなよ、と言うことも言われることも、ちょっとなぁ、、、。よろしくやりたければ好きにしろ、としか思わないし、自分自身はそんな気力もエネルギーもないというか、そもそも面倒クサい。ただ、ウチの人が実はゲイだったら、、、という想定は非現実的なので、バイセクシャルだったら、、、と考えてみたんだが、それでも同じかな。自分が死んだ後、相手がどうしようがどーでもいいし、それでウチの人自身がハッピーならそれが良いに決まっている。私が「良い人見つけてね」なんて言い残して行くのも、何かお門違いな気がするなぁ。

 人間の心というのは、なかなか理屈じゃ説明がつかないわけで、本作は、そういうところを巧みな描写で掬い取って描いている。同性愛というのは、1つのファクターではあるが、同性愛でも異性愛でも、嫉妬や葛藤という感情の動きに違いはないはず。

 伝統衣装のカフタンが美しく、縫製作業も度々映るのだけど、見入ってしまった。日本でいうと、振袖とか、打掛とか、、、そんな感じかしら。インドでサリーを着たときは、見た目よりも締め付けのキツいのに驚いたけれど、カフタンも一度着てみたいな~。

 

 

 

 

 


カフタンのブルーが実に美しい。

 

 

 

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コメント
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