映画 ご(誤)鑑賞日記

映画は楽し♪ 何をどう見ようと見る人の自由だ! 愛あるご鑑賞日記です。

さらば、わが愛 覇王別姫(1993年)

2023-08-21 | 【さ】

作品情報⇒https://moviewalker.jp/mv81662/


以下、公式HPよりあらすじのコピペです。

=====ここから。
 
 京劇の俳優養成所で兄弟のように互いを支え合い、厳しい稽古に耐えてきた2人の少年――成長した彼らは、程蝶衣(チョン・ティエイー)と段小樓(トァン・シャオロウ)として人気の演目「覇王別姫」を演じるスターに。

 女形の蝶衣は、覇王を演じる小樓に秘かに思いを寄せていたが、小樓は娼婦の菊仙(チューシェン)と結婚してしまう。

 やがて彼らは激動の時代にのまれ、苛酷な運命に翻弄されていく…。

=====ここまで。

 公開30周年、レスリー・チャン没後20年特別企画として、4Kリバイバル上映。

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 本作は、確か、昨年(かその前年)に「版権が切れるのでこれが国内最終上映!!」と銘打って、連日、渋谷のル・シネマが満員だった気がするんだけど、今回は4Kだから版権は別ってことですかね? 10年くらい前にも「これが国内最終上映!」って、やっぱり言っていた気がするんだけど、最終上映ってどういう意味?

 ……それはともかく。本作は、大分前にDVD(orVHSだったかも)で見たことはあるが、スクリーンでは見ていなかったので、クリアになった映像をスクリーンで見てみよう、、、と映画友と意見が一致、公開直後に見に行ってまいりました。

~~以下、本作やレスリー・チャンがお好きな方はお読みにならない方が良いです(悪意はありませんが悪口になっているかもです)。~~


◆うーん、、、ごめんなさい。

 実は、本作に対する印象はあんまし良くなくて、世間で絶賛されていることが不思議だった。でも、当時はまだ自身が若かったから理解できなかったんだろう、、、と思っていたので、今回はスクリーンで見て、自分の中で評価が変わることを期待して見に行った。

 ……が、結論から言うと、変わらなかったのだった、、、、ごーん。

 理由は大きく2つあって、1つは、正直言って、私にはレスリー・チャンがあんまし“美しい”とは思えなかったってこと。

 ネットで絶賛している方々の感想を読むと、京劇の虞姫を演じている彼が美し過ぎる!!と書いてあるのが目に付くのだが、あの独特のメイクをした様式美は、ある程度の顔立ちの役者さんなら相当綺麗になるのは当然じゃない? 歌舞伎だってそうでしょ? 元の顔立ちがよっぽど醜悪でもなければ、それなりになるようにできているのが“様式美”なわけで、、、。

 メイクなしのレスリーは、、、まあ、小柄なアジア系の男性、、、にしか見えない(すみません、飽くまでも私の目にはってことです)。つまり、カッコイイとはゼンゼン思えない、ということ。

 元々この役は、ジョン・ローンが演じる予定だったと聞いたことがあるのだが、きっとジョン・ローンだったら文句なしに“美しい”と私も思ったと思う。彼は素で美しいので。

 もう1つは、ストーリー的に終盤ずっこけた、、、ってこと。実は、これは以前見たときも感じたのだが、やはり今回も同じように引っ掛かった。

 それまでにも、やや展開に飛躍があるなぁ、とは感じていたものの、何とか無理矢理着いて行けていたのだが、文革の自己批判シーンで、あまりのえげつなさに脳内???が飛び交い、その後、ラストシーンまでもう復活できなかった。あの醜悪な罵り合いは、お互いがかばい合って、、、というにはグロすぎる。つまり、ゼンゼンかばい合っていたのではなく、積年の恨みつらみ交えての罵詈雑言の応酬だったということ。

 その11年後(?)に、何事もなかったかのように再会している2人。あれは妄想?と解釈する向きもあるらしいが、多分リアルでしょ。だとすれば、余計に分からんし、分かりたくもない。あんな罵り合った人と、恩讐を越えてまた昔のように、、、ってどんだけファンタジーなんだよ、、、としか思えない。

 ……というわけで、ウン十年前に見たときからまるで進歩がないのか、それとも単に本作が合わないだけなのか分からんが、映画友ともども世間の絶賛ムードに取り残されて、グッタリ。見終わってから2人で大いにグチを言い合って、モヤモヤを解消して帰路につきましたとさ。


◆魅力的な登場人物が、、、(泣)

 そもそも、小樓って男、そんなに魅力的か? 私はそこが理解できん。蝶衣があそこまで翻弄されるのがねぇ、、、。そら、恋は第三者には分からんものだとはいえ、これは映画である。見るものに、「あー、あんなエエ男ならしゃーないね」と思わせる小樓の魅力を描いてくれなくては。描いているシーン、ありましたっけ?? 幼年期の思い出を抱えているだけでは?

 項羽という役を演じている小樓に惚れてただけやないのか??と思っちゃうのよね。そういうのってあるじゃん。共演して恋仲になるけど、しばらくして別れちゃうとか。別れない人もいるけど。

 レスリー・チャンの魅力がイマイチ分からない私には、蝶衣に対してもあまり好感を持てなかったなぁ。まあ、割と普通の人だよね。京劇のスターという肩書を取った蝶衣という人自身の描写を反芻しても、あまり素敵だと思えるシーンが浮かんでこないのだ。これは、私の理解力の問題でもあるけれど。

 美しいと言うのなら、蝶衣の少年期を演じていたイン・ジー(尹治)の方がキレイだった。中性的で体温低そうな、あんな少年だったら、さぞや美しい女形になるだろうな、、、と思わせる。

 みんシネにも書いたけど、やっぱり私はチェン・カイコー監督作なら「北京ヴァイオリン」(2003)の方がゼンゼン好きかな。彼が演出した北京オリンピックの開会式は北朝鮮のマスゲームみたいでかなり興ざめだったなぁ、、、そう言えば。あれ以来、チェン・カイコーにもあんまし興味がなくなっていたけど、その後もコンスタントに映画撮ってるのね。知らんかった。また見てみようかな。

 ……というわけで、本作やレスリー・チャンのファンの皆様の神経を逆撫でするようなことばかり書いてしまいましたが、京劇のシーンは見応えありました(と、ムダなフォロー)。

 

 

 

 

 

 

 

 

コン・リーの「上海ルージュ」をまた見たくなったゾ。

 

 

 

 

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コメント (7)
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