再開 私の色

 私の人生観を述べてみます

 再開 私の色(336)

2009-09-09 20:37:19 | Weblog
 一般に内部告発するためには勇気と覚悟いる。しかし、それを忠実に実行した一人の警察官、仙波敏郎さんの「現職警官『裏金』内部告発」を読んだが、感動した。

 仙波さんの最後の職位は、元愛媛県警巡査部長で定年を終えた。彼は高校を卒業し、警察官となった。新任地で、24歳の時、上司からニセ領収書の作成を断り、そのために干され、出世はできなかったが、誠実な人生を歩んだ。ニセ領収書は、裏金づくりで、警察に与えられた捜査協力費という公費を、そのニセ領収書を作成することで、裏金をつくった。犯罪行為だ。彼は誘惑に負けることなく、正義感を貫いた。

 その犠牲は大きい。家族が犠牲となり、消防士の長男が、勤務先の松山市の中央消防署内で、署長を刺殺事件を起こした。その事件も含め、精神的なダメージを受けた妻は、末期の肝臓がんで亡くなる。

 仕事場では、上司をはじめ、同僚、部下などから白眼視され、つらい立場に追い込まれるが、オンズマン、弁護士、新聞記者などの力で精神的に持ちこたえる。

 この本を読んで、不合理なことは多いが、自分の正義感をすてずに貫いたことがすばらしい。

 この世の中で、誠実に生きることの難しさを改めて教えてくれる。ウソによって得た出世、富、名誉など、それは所詮、虚である。

 自分の心に誠実に生きたいものだ。


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