羽生田「身の丈」発言が大騒ぎになって、大学入試に導入されるはずだった英語民間試験の問題点がクローズアップされた結果、導入が延期になりました。羽生田文科相は「受験生におすすめできるシステムになっていない」とのことで、欠陥がある制度であることを自ら認めましたが、じゃあなぜ「身の丈」発言をしてまで導入にこだわったのか意味がわかりません。とは言え、延期になったのは彼が発端であることは確かなので、その功績は称えておきましょう。
ちなみに自民党の世耕参院幹事長は「受験生の立場に立った非常に思いやりにあふれた決断」と羽生田を称賛しています。これは真面目に言っているのか、皮肉を言っているのか判断に苦しみます。「身の丈」発言があったからこその「受験生の立場」云々なのでしょうが、皮肉ならエスプリが効いていますが、真剣に言っているのだとしたらもはやブラックジョークの類です。自民党の身勝手で来春の受験生がどれだけ振り回されていることやら。
ただ今回は単なる延期であって、中止ではありません。と言うことは、今後はまだどうなるかわからない極めて不確かな状況にあることは変わらないのです。「受験生の立場」に立つなら「おすすめできるシステム」ではないものを、なぜはっきりと中止しないのかがわかりません。即刻導入中止を決定して高校生たちが落ち着いて勉強できるようにするべきでしょう。
ちなみに今回の延期をまるで野党の手柄のように立憲の枝野代表が言っていますが、それは違うでしょう。燃料を投下したのは羽生田で、炎上させたのはネットです。野党は「身の丈」発言があるまで全然この件を問題にしていなかったのに、今さら手柄面されてもと思います。