センバツの決勝戦は戦う前から大阪桐蔭が勝つことはほぼほぼわかっていたことでした。近江のエース山田は明らかに登板過多な上に左足を負傷しています。普通なら投げさせるべきではありません。しかしコロナで出場辞退した京都国際の代替出場である近江はそれでも山田を投げさせました。全てを出し尽くして王者に挑みましたが、大阪桐蔭は先発全員の16安打18点を挙げて遠慮なく近江を叩き潰してしまいました。急遽出場しながら決勝まで勝ち進んだ近江は素晴らしいチームでしたが、山田の今後が心配です。まだ夏もあるんですから。
そもそも大会が始まる前から大本命の大阪桐蔭が優勝するだろうとは予想していました。それくらい近畿勢が強いです。これで2011年以降の甲子園優勝校21校のうち近畿勢が11校と半数を超えました。圧倒的な強さです。さらに続くのが関東勢の8校。夏はこの2地区以外は優勝がありません。サッカーW杯におけるヨーロッパと南米の代表並みです。残る2校は春に優勝した東邦と敦賀気比でともに関西寄りの中部勢。明らかに地域的に偏っていて、要は甲子園に近くて裕福な地域の学校が有利だということです。
以前にも書きましたが高校野球がずっと甲子園を聖地として崇めている間はこの構図は簡単には変わらないだろうと思います。地元が有利に決まっているのです。近畿勢はずっとホームアドバンテージを得て戦っているのですから、それは不公平だろうと誰も声を上げない方が不思議です。インターハイのように全国を持ち回りでやれば、もっと北海道や九州の学校にもチャンスは広がるはずですし、近畿の高校に有望な選手が集中することも少なくなるはずです。箱根駅伝があるせいで男子の有望な長距離選手が関東の大学に集まるのと同じです。
そしてそんなに近畿勢が強いのに、阪神タイガースは開幕から6連敗スタートになりました。地元の高校が強ければ地元の球団も強そうなものですが、残念ながら阪神に限ってはそうはならないみたいです。かつて「阪神よりPL学園の方が強い」と言われた頃がありましたが、今年は「阪神より大阪桐蔭の方が強い」と言うことで、いつになったら片目が開くことやら。ただ阪神の陰に隠れていますが中日も1勝5敗ですからセ・リーグの2弱です。明日から阪神は巨人、中日は広島とセ・リーグの2強と対戦ですから、どちらももうしばらく負け続けそうな予感がします。