幹事クリタのコーカイブログ

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BTTFと『不適切にもほどがある!』

2024-01-27 23:55:23 | テレビ・芸能
 今期ドラマで一番期待しているのがTBS系『不適切にもほどがある!』です。宮藤官九郎脚本と磯山晶プロデューサー、そして演出もこのコンビと組むことが多い金子文紀。これで面白くないわけがありません。これまで『池袋ウエストゲートパーク』、『木更津キャッツアイ』、『マンハッタンラブストーリー』、『タイガー&ドラゴン』、『流星の絆』、『うぬぼれ刑事』、『ごめんね青春!』などクドカン×磯山コンビでどれだけ笑わせてもらったことか。クドカンは結構当たり外れのある脚本家ですが、磯山Pと組んだ時が一番打率が良いと思っています。

 ストーリーは1986年のシングルファーザーの教師がタイムスリップして2024年に迷い込み、そこで彼の「不適切」な言動がコンプライアンスで縛られた令和の人たちにヒントを与えていくというヒューマンコメディ。主人公に阿部サダヲ、他に吉田羊、仲里依紗、磯村勇斗、河合優実、三宅弘城、袴田吉彦、山本耕史、古田新太ら。まだ初回では山本や古田は登場していませんでしたが、他にもクドカンドラマのレギュラーメンバーが今後もゲストなどで登場してくるのではないかと楽しみにしています。

 ドラマのテーマは昭和と令和の時代の変化と、それぞれに不都合なところを比べて、今の時代への問題提起をしようとしていることでしょうが、真正面から語ると説教臭くなるので、一番肝心なところをミュージカル仕立てにしています。おそらくミュージカルアレルギーが多い日本人には不評だろうということもわかっていてもなおクドカンはやっていると思います。たとえそれで一部の視聴者から嫌われようとも、正面から正論を展開しようとしないあたりがクドカンの「照れ」であり、それがファンにとっては嬉しいところです。

 同様に『いだてん』などで不評だった時代を行きつ戻りつする展開も、今回敢えてやっているように思われます。あの程度の時代の行き来で「複雑でわからない」などという人間は大ヒット映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』をどう見たのか、という話です。今回クドカンは明らかにBTTFを意識していて、1986年を選んだのはBTTFが日本公開された直後の時代だからでしょう。僕は一番好きな映画がBTTFですから、クドカンがオマージュとしてそこに拘っていることも強くシンパシーを感じます。

 実は当時の社会風俗の再現性を考えると、ちょっとおかしいと感じるところもありますが、それは時代設定を1986年にしているからです。本来ならドラマの中で登場する聖子ちゃんカットやマッチ、明菜、キョンキョンらが中高生に多大な影響を与えていたのは1982~1984年頃です。ほんの数年の違いですが、当時を生きていた人間からすると微妙に違和感があります。もちろん路線バスの車内や、ましてや教室で授業中にタバコを吸うなんてことはさすがに当時もなかったでしょう。カリカチュアした表現ですが少々違和感はあります。

 それでもクドカンは1970年代でも1982年でもなく、1986年に時代設定をしたかったんだと思います。このドラマの設定はBTTFによって影響を受けた阿部の教え子の「井上」くんが2024年にタイムマシンを完成させて、それによって登場人物たちが時代を行き来するという話だと思われます。伏線というには少々わかりやすい展開でしたが、初回にそういうシーンを盛り込んできたのもBTTFへのリスペクトであり、だからこそ1986年である必然性があるのです。僕の予想ではまだ登場していない古田新太が大人になった井上くんで、タイムマシンを発明した「ドク」になるのではないかと思っています。

 見る人を選ぶドラマですが、それがクドカンドラマですから、またいつものように視聴率はパッとしないけど後々の評価が高いというドラマになりそうな予感がプンプンします。
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