幹事クリタのコーカイブログ

テニスをはじめあれこれ好き勝手書いています。「幹事クリタのコーカイ日誌」のブログ版です。

朝ドラの描く女性差別

2024-05-16 23:33:36 | テレビ・芸能
 朝ドラ『虎に翼』では、主人公に次々と女性差別が襲いかかってきます。ようやく弁護士になったものの、女性だからというだけで仕事も依頼されず、ついには信用を得るためだけに結婚をしようとしています。今の若者からしたら信じられないことばかりかも知れません。「昔の話だから」とは言え、すでにドラマの世界でも時代は昭和16年です。江戸や明治ではありません。まだたった80年くらい前の話に過ぎません。

 それどころか40年ほど前、僕が20代前半の頃でもそれほど意識は変わってはいませんでした。僕らの世代では女性が4年制の大学を卒業したら就職もできないし、嫁の貰い手もないからと、成績の良い女性でも敢えて短大に進学し、補助職などと名付けられた待遇で大手企業に就職していました。3年間くらい働いて25歳までに社内結婚して寿退社するのが一番幸せだと言われていたものです。結婚しても仕事を続けるだけで驚かれて、子どもができたら家庭に入るのが当たり前と思われていました。昭和初期と大差ありません。

 ドラマ内では主人公家族がみんなでお祝いにビールを飲んでいましたが、我々が大学生の頃でもまだ女性が酒を大っぴらに飲むのは「はしたない」と言う人たちがたくさんいて、特に厳しい家庭では外ではもちろん家でも滅多に女性は飲酒をしなかったものです。男女雇用機会均等法が施行されたのは1986年のことで、僕の大学の後輩たちがようやく4大卒でも大手に就職できるようになりました。「女性活用」などと言う言葉を「進歩的」だと自負する経営者が言い始めたのもこの頃からです。

 だから今の60代以上で、男性と同等にバリバリ働いている女性たちは差別意識や偏見だけではなく社会的に不利な制度とも戦ってきた人たちです。そして専業主婦として40年以上過ごしてきた人たちも、決して働きたくなかった、楽をしたかったわけではなく、泣く泣く仕事を辞めて家庭に入った女性がたくさんいました。ドラマにするなら戦前の目に見えて差別されている女性たちの方がわかりやすいでしょうが、ドラマになりにくい昭和後期の女性たちの戦いも忘れてはいけないと思いながら朝ドラを見ています。
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