ずっと続いていたジョコビッチの騒動ですが、結局オーストラリア政府のビザ取消処分を連邦裁判所も認めたので、ジョコビッチの強制送還が決定しました。ジョコビッチは4連覇を狙っていた全豪に出場できなくなり、最多となる21回目のグランドスラムタイトル獲得を目指すことも今大会では不可能になりました。テニスファンとしては残念ですが、経緯を考えれば仕方のないことだと思います。
今回の騒動で懸念されるのはテニスのナンバー1であるジョコビッチのイメージが悪くなったことで、テニス全体のイメージもダウンすることです。どのスポーツにおいてもトップ選手はその競技全体のイメージリーダーです。これまでずっとテニス界を代表してきたフェデラーは人格に優れそのスポーツマンシップやフェアネスはテニス全体の好感度を高めてきました。フェデラーのライバルであるナダルもまた同様に人柄が良く好感度の高い選手ですから、この2人が牽引してきたことはテニス界にとって大きな財産でした。
それに対してジョコビッチは人柄が悪いわけではないのですが、どうもトラブルを呼び寄せるようなところがあります。今回の騒動でもテニス界からジョコビッチを擁護する声が少なかったのは、そのトラブルメーカーな一面が足を引っ張ったのではないかと思われます。ナダルがコメントしたように「大会より大事な選手はいない」わけで、ジョコビッチがいなくても大会は開催できますし素晴らしい大会にすることは可能です。ルールを曲げてまでジョコビッチを出場させるようなことはあり得ません。
昨日も書いたようにジョコビッチが出ないことで、優勝争いはメドベージェフとズべレフが軸になってくると思いますが、より若い選手たちにもチャンスは回ってきそうです。この騒動が一気に世代交代が進む転換点になるかも知れません。