昭和生まれの老翁の面白話。第27話 「叔母」
叔母は敗戦後、あばら家が立ち並ぶ、まだ混とんとした大阪駅の裏育ちで芯からの浪速女でした。風貌が往年の大女優山田五十鈴に似ていて、少々のことでは動じない、近所の厄介なもめごとでも、頼まれもしないのに乗り込んでいき、采配は全てやり解決しました。経営する会社も全てを切り盛りして、泥は自分が全てかぶりました。気っぷがよく、女次郎長のようで、彼女に歯向かうものは一人としていませんでした。従業員などは叔母の一喝に震え上がっていました。しかし、叔母は事のほか小生を可愛がってくれました。年下の一人娘の従妹は「お母ちゃんは本当の娘の私より洋ちゃんばっかりかわいがって、私ばかりを怒る、私は淀川で拾われた捨て子だったに違いない」とひがんでいました。
今週の1花 スノーフレイク「スズランスイセン、オオマツユキソウ」
スノーフレイク「スズランスイセン、オオマツユキソウ」
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