昭和生まれの老翁の面白話。第46話 「国鉄石山駅の楽しい思いで①」
小学校3、4年のころだと思う。国鉄東海道本線(今のJR)に石山駅がある。鉄道に乗るのが大好きな友達がいた。その頃はまだ電化されてなく蒸気機関車だった。瀬田駅も無かった。彼は小遣いがたまると石山駅から隣駅の草津駅まで汽車に乗り、帰ってくるのが最大の楽しみにしていた。僕も彼に誘われて一緒に出掛けたことがある。汽車が瀬田川を渡る時、開け放された汽車の窓から流れ込む蒸気機関車の煙と心地よい川風の混じった匂いを今も時々懐かしく思いだす。
彼に誘われて石山駅に遊びに行ったことがあった。彼はそこに素晴らしい秘密の遊び場?を持っていた。それは石山駅から日本電気硝子だと思う工場に部品や製品を運ぶ、貨物専用の引っ込み線があった。引き込み線は石山駅から大きな弧を描くような単線でした。そこには動輪が1個の小型の蒸気機関車があり、金の線の入った運転手帽子をかぶった小父さんが運転をしていました。線路際の草原で出入りする蒸気機関車を飽きずに見ていると機関車が僕たちの前で止まりました。小父さんは手招きして僕たちを呼びました。一瞬、怒られるのではないかと思い、逃げようとした。 続く
今週の一花 ヒメサルスベリ
ヒメサルスベリ。小型の鉢でもたくさんの花が咲く。