書籍之海 漂流記

看板に掲げているのは「書籍」だけですが、実際は人間の精神の営みすべての海を航海しています。

清水由里子/新免康/鈴木健太郎 『ムハンマド・エミン・ボグラ著「東トルキスタン史」の研究』

2014年08月13日 | 地域研究
 あらためてきちんと綴るまえに、まず第一番目の感想。
 同『東トルキスタン史』の第3部第2章第5節「東トルキスタンにおける最初の民族覚醒」に、以下のような一文がある。

 公平かつ公正に考えるならば、東トルキスタンのこのような後進性は、ただ単にチーン政府の専制と圧迫の結果であるということは適切ではない。 (「第2章 翻訳・訳注」同書72頁)

 この“公正”とは、原書の「20世紀前半当時のテュルク系言語」(「第1章 『東トルキスタン史』と著者ムハンマド・エミン・ボグラ」 本書28頁)において、如何なる意味を持つ語であったのか。

(NIHUプログラム「イスラーム地域研究」東京大学拠点 2007年3月)