書籍之海 漂流記

看板に掲げているのは「書籍」だけですが、実際は人間の精神の営みすべての海を航海しています。

金観涛著 小島三多訳 「思想史と21世紀の中国研究 近代性についての再考」

2013年09月04日 | 東洋史
 『激動する世界と中国-現代中国学の構築に向けて-』(日本語版)、2004年3月収録、21-26頁。

 われわれがどのように東アジアと西欧との差異および中国社会文化の特殊性に注目しようとも、近代に関する研究の最も深層の部分では、近代社会の起源が西洋にあり、非西洋社会の近代化への転換は基本的にはウェスタンインパクトの下で西洋から学習する過程であることをほとんど否定できない。 (22頁)

 それなのにそれをなんとか否定しようとするから、こんなに仰々しく大家の説を引用し、いくらもってまわってみても、結局無意味な文章にしかならなかった。これは発表だったそうだが、聴かされるほう、そしてのちに活字化されたものを読まされるほうには、時間の無駄である。