井上治監訳/石田徹・木下順子訳。
出版社による紹介。
缸波頭城に籠城した三別抄軍は現地の説明文が言うごとく玉砕全滅したのではなく、戦闘中の戦死者を除けば、主立った地位の者6名が処刑され、高麗の重臣35人が捕虜となったのち斬首されたほかは、降服した兵士130名は全員開放されて帰還を許された由(本書28頁)。ただ陥落前に城を脱出して漢拏山に籠もった金通精とその配下70余名は全員死亡したと(同頁)。私が城址で見た解説にはこの金の部隊にのみ戦後の言及があった。
また、
朝鮮初期までは、元を起源とする姓氏や明が流刑にした元の王族とその子孫たちの姓氏を持つ住民たちがかなり済んでいましたが、いつの日からか、彼らの系譜を追跡できなくなります。 (101頁)
とある。なぜそうなったのであろうか。
モンゴルとの出会いが残した痕跡を消し去ろうとする傾向は、その子孫たちに対する中央政府の弾圧とともに、漢族を中国支配の正統である華と見なし他の種族は夷狄と見る華夷論が拡散していた時代的情況とも相まっています。 (102頁)
(明石書店 2015年1月)
出版社による紹介。
缸波頭城に籠城した三別抄軍は現地の説明文が言うごとく玉砕全滅したのではなく、戦闘中の戦死者を除けば、主立った地位の者6名が処刑され、高麗の重臣35人が捕虜となったのち斬首されたほかは、降服した兵士130名は全員開放されて帰還を許された由(本書28頁)。ただ陥落前に城を脱出して漢拏山に籠もった金通精とその配下70余名は全員死亡したと(同頁)。私が城址で見た解説にはこの金の部隊にのみ戦後の言及があった。
また、
朝鮮初期までは、元を起源とする姓氏や明が流刑にした元の王族とその子孫たちの姓氏を持つ住民たちがかなり済んでいましたが、いつの日からか、彼らの系譜を追跡できなくなります。 (101頁)
とある。なぜそうなったのであろうか。
モンゴルとの出会いが残した痕跡を消し去ろうとする傾向は、その子孫たちに対する中央政府の弾圧とともに、漢族を中国支配の正統である華と見なし他の種族は夷狄と見る華夷論が拡散していた時代的情況とも相まっています。 (102頁)
(明石書店 2015年1月)