『子規全集』別巻二「回想の子規」(講談社 1975年9月)同書199-223頁所収。
文中、子規が「口癖のやうに」、「野心のない人間ほど始末の悪いものはない」と「友人門人を刺撃して居つた」という証言をおもしろく思った(223頁)。
これは西郷の「命ちもいらず、名もいらず、官位も金もいらぬ人は、仕抹に困るもの也。此の仕抹に困る人ならでは、艱難を共にして国家の大業は成し得られぬなり」(『南洲翁遺訓』)と似て、而して文脈からして意味は全然正反対のものである。一念は子規のこの言葉をもって「君が人格の一面を見るの参考に資する事が出来るであろう」と付言している。そうかもしれない。それもやや意外なる一面。
文中、子規が「口癖のやうに」、「野心のない人間ほど始末の悪いものはない」と「友人門人を刺撃して居つた」という証言をおもしろく思った(223頁)。
これは西郷の「命ちもいらず、名もいらず、官位も金もいらぬ人は、仕抹に困るもの也。此の仕抹に困る人ならでは、艱難を共にして国家の大業は成し得られぬなり」(『南洲翁遺訓』)と似て、而して文脈からして意味は全然正反対のものである。一念は子規のこの言葉をもって「君が人格の一面を見るの参考に資する事が出来るであろう」と付言している。そうかもしれない。それもやや意外なる一面。