書籍之海 漂流記

看板に掲げているのは「書籍」だけですが、実際は人間の精神の営みすべての海を航海しています。

コンスタンティン・プレシャコフ著 稲葉千晴訳 『日本海海戦 悲劇への航海 バルチック艦隊の最期』 上下

2011年02月25日 | 世界史
 ノビコフ・プリボイの『ツシマ』は、旧訳では『バルチック艦隊の壊滅』という題になっていた(新旧どちらも上脇進訳、原書房)。この題名が示すとおり、バルチック艦隊は連合艦隊に負けて壊滅するのである。いうなれば、日本海海戦におけるバルチック艦隊の敗北は、4W1Hのうち4W(何時、何処で、何故、誰が)はすでに定まった、動かせない史実である。のこる1H、つまり「いかに」がいくら変わってもそれは歴史の大情景のなかでは些末な事柄にすぎない。要は負けたのである。ロジェストヴェンスキーがたとえ個人としては無能でなかったとしても、総司令官として敗戦の責任を負わねばならない。職業軍人が戦さにまけたら彼は無能なのである。そもそも日本海海戦が日露戦争全体のなかでは一点景(事件としてスペクタクル的要素は多量にあるが)にすぎないのである。ここでは何故すらさほど問題ではない。この書で従来の類書とは違って強調されるように、艦隊の出航時から心あるロシア帝国人士(日本海へと向かう艦隊に乗り組む当の海軍軍人を含め)は敗北の不可避を予期していた。艦隊は全体的な構図においては、負けるべくして負けたのである。

(日本放送出版協会 2010年10・11月)

「All the parities in China」 から

2011年02月25日 | 抜き書き
▲「Economist.com」、「Comparing Chinese provinces with countries」。(全)
 〈http://www.economist.com/content/chinese_equivalents

  Which countries match the GDP, population and exports of Chinese provinces?

  China is now the world’s second-biggest economy, but some of its provinces by themselves would rank fairly high in the global league. Our map shows the nearest equivalent country. For example, Guangdong's GDP (at market exchange rates) is almost as big as Indonesia's; the output of both Jiangsu and Shandong exceeds Switzerland’s. Some provinces may exaggerate their output: the sum of their reported GDPs is 10% higher than the national total. But over time the latter has consistently been revised up, suggesting that any overstatement is modest.
  What about other economic yardsticks? Guangdong exports as much as South Korea, Jiangsu as much as Taiwan. Shanghai’s GDP per person is as high as Saudi Arabia’s (at purchasing-power parity), though still well below that in China’s special administrative regions, Hong Kong and Macau. At the other extreme, the poorest province, Guizhou, has an income per head close to that of India. Note that these figures use the same PPP conversion rate for the whole of China, but prices are likely to be lower in poorer provinces than in richer ones, slightly reducing regional inequality.

 20年ちかく前、出たばかりの厳家其(祺)『聯邦中国構想』(香港、明報出版社、1992年)を、自ら思い立って、著者の了解を得たうえ全訳して、出版企画をシノプシスつきでいくつかの出版社へともちこんだことがある。はじめてのことでいろいろ拙かったせいか、残念ながら実現には至らなかったが、いい勉強になった。(この本はのち、矢吹晋氏の『巨大国家 中国のゆくえ―国家・社会・経済』《東方書店、1996年7月》で言及・引用されている。)

「『歩くサボテン』の化石発見、節足動物の進化解明に光」 から

2011年02月25日 | 抜き書き
▲「AFPBB News」2011年02月24日 12:17 発信地:パリ/フランス。(部分)
 〈http://www.afpbb.com/article/environment-science-it/science-technology/2787131/6860205

 中国南西部で、節足動物の祖先にあたる約5億年前の未知の生物の化石が見つかったと、中国の研究チームが23日の英科学誌ネイチャー(Nature)に発表した。研究者らは「歩くサボテン」と呼んでおり、カニやクモなどの節足動物の進化の謎に光を当てる発見だとしている。

 写真。
 コレはナニ?