書籍之海 漂流記

看板に掲げているのは「書籍」だけですが、実際は人間の精神の営みすべての海を航海しています。

冷戦時代にはいろいろおもしろい話がありました

2011年02月23日 | 政治
▲「Президент России」22 февраля 2011 года, 16:00 Владикавказ, 「Дмитрий Медведев провёл во Владикавказе заседание Национального антитеррористического комитета」 (部分)
 〈http://www.kremlin.ru/news/10408

  В заседании приняли участие руководители специальных служб и министерств силового блока, ряд федеральных министров, полномочные представители Президента, главы республик Северо-Кавказского федерального округа и руководство силовых структур этого региона.

 ヴラジカフカスで、メドヴェージェフ・ロシア連邦大統領の主催で、連邦所属特殊部隊の司令官、治安関係連邦省庁の長、大統領全権代表、北カフカス(コーカサス)連邦管区の元首、同地域の治安関係責任者の出席のもと、「全国反テロリズム委員会」の会議が開かれた。
 それにしても“ヴラジカフカス”とは凄い名である。「カフカスを征服せよ」という意味であるから。“ヴラジヴァストーク(ウラジオストック)”が「東方を征服せよ」であるのと同じである。
 旧ソ連の存在した冷戦時代、日本のソ連研究者のなかには、「あの“ヴラジ”は『征服せよ』の意味ではない、『よく治めよ』というくらいの意味だ」と言う人がいた。残念なことに、“ヴラジ”(命令形)のもとになる動詞“ヴラジェーチ(владеть)は、「奪い取り、おのが物とする」という意味の語である。いうなればカエサルの「来た、見た、勝った」を現在形にして一語に纏めたような言葉だ。たしかに владеть には「統治する」という意味もある。しかし、“ヴラジヴァストーク”の場合もそうだが、他人の土地を「統治」するには、その前に「征服」しなければならない。

「『天安門事件のようにデモ隊を叩き潰す』カダフィ氏、退陣拒否も政権の亀裂拡大」 を読んで

2011年02月23日 | 思考の断片
▲「msn 産経ニュース」2011.2.23 08:55、カイロ=大内清。(部分)
 〈http://sankei.jp.msn.com/world/news/110223/mds11022308570011-n1.htm

 カダフィ大佐は同日夕、国営テレビで1時間以上にわたり演説、「国を去ることはない。死んで殉教者となるまで(国を)導く」「最後の血の一滴まで戦う」「(中国の)天安門事件のようにデモ隊を叩きつぶす」などと述べ、改めて退陣や亡命を否定した。

 「アルジャジーラ」(英語版)ではカダフィ大佐はこう言ったことになっている(→こちら)。

  He cited the examples of an attack on Russian parliament and China's crushing of the 1989 Tiananmen Square uprising, saying that the international community did not interfere.

 BBCの報道では「天安門事件のようにデモ隊を叩きつぶす」と言ったことになっている(→こちら)。さらに、「少数の抗議者(の命?)より国家の統一のほうがはるかに価値がある」と言ったことになっている。
 いずれにしても中国政府はさぞ迷惑していることだろう。

  "I have not yet ordered the use of force, not yet ordered one bullet to be fired ... when I do, everything will burn." (同上「アルジャジーラ」記事)

 それで通るのか? だいいち必要とあれば自国民に銃を向けるぞと明言している。つまりこれは脅しである。 

  He warned that instability in Libya "will give al-Qaeda a base". (同上)

 脅しといえば、これも脅しになるのだな。

 そういえば・・・

●「msn 産経ニュース」2011.2.14 12:48、「ツタンカーメン王の副葬品が盗まれる エジプト考古学博物館」。(部分)
  〈http://sankei.jp.msn.com/world/news/110214/mds11021412490004-n1.htm
 
 カイロ中心部のタハリール広場に面する同博物館は1月28日、大規模デモをきっかけとした暴徒の略奪を受けており、この際に盗まれた可能性がある。略奪では古代エジプトの王朝時代のミイラ2体の頭部などが壊され、約70点の小型工芸品が損傷した。

 このニュースを聞いたときに、ムバラク大統領は辞職しなければならなくなるのではないかとなんとなく思ったが、カダフィ大佐には爆撃や外国人傭兵を使ってリビア国民を殺した罪で、彼を殺害すべしとのファトワ(高位イスラム指導者によってだされる宗教令)が出た(→くわしくはこちら)。これを聞いて、カダフィも危ないと思った。下手をすると、辞職どころかチャウシェスクなみの悲惨な最期を迎えかねない。

「訃報:大野靖子さん82歳=脚本家」 を見て

2011年02月23日 | 抜き書き
▲「毎日jp」2011年2月21日 2時30分(最終更新 2月21日 2時45分)。(部分)
 〈http://mainichi.jp/photo/news/20110221k0000m040117000c.html?inb=ra

 NHK大河ドラマ「国盗(と)り物語」や映画「居酒屋兆治」など、数々の名作を世に送った脚本家の大野靖子(おおの・やすこ<本名・靖=やす>)さんが1月6日、卵巣がんのため亡くなっていたことが分かった。82歳。葬儀は近親者で行った。喪主は夫雅昭(まさあき)さん。

 ご冥福をお祈りします。ありがとうございました。貴女の素晴らしい脚本のおかげで、私にとって松波庄九郎のちの斎藤道三は永遠に平幹二朗さんであり、織田信長は高橋英樹さんであり、お万阿は池内淳子さんであり、濃姫は松坂慶子さん、木下藤吉郎/羽柴秀吉は火野正平さん、明智光秀は近藤正臣さん、雑賀孫市は林隆三さん、小みちは田島令子さんとなりました。

「中国外務省、一党独裁反対の集会呼びかけを非難」 から

2011年02月23日 | 抜き書き
▲「msn 産経ニュース」2011年2月22日21時05分、北京=大木聖馬。(部分)
 〈http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20110222-OYT1T00878.htm

 中国外務省の馬朝旭・報道局長は22日の定例記者会見で、北京など中国の13都市で20日、共産党一党独裁に反対する集会の呼びかけがあったことについて「社会、政治の安定を維持することは、広範な国民の共通した願望であり、いかなる人、勢力も動揺させることはできない」と非難した。

 だから中国の全土で意見調査を行ったのか。よしんばこの「国民(あるいは人民)の願望である」という表現が、「そんなことは倫理的に許されることではないのだ」という意味であったとしても、主観的な善悪の価値判断が客観的現実になんらかの変更を加えることが出来るとでもいうのか。それが判っていないようだから――判っていたらわざわざこんな声明は出すまい――、中国人はいまだに「天人合一説」を信じている、心性が古代せいぜい中世の未開であると、私は言うのである。抗議は、こんな馬鹿げた言動を廃めてからなら、いくらでも聴く。