goo blog サービス終了のお知らせ 

書籍之海 漂流記

看板に掲げているのは「書籍」だけですが、実際は人間の精神の営みすべての海を航海しています。

フジ子・ヘミング 『魂のピアニスト』 

2005年06月28日 | その他
“わたしの演奏は、テクニックで弾くというものではない” (152頁)

“わたしのピアノは誰にも弾くことのできない、わたし自身の世界である。それは誰にも真似することのできない、たったひとりの世界であることをわたしは知っている。芸術家にとって、それはとても大切なこと。誰にも容易に真似のできる世界ではない。そう信じている” (164-165頁)

“わたしは、音楽を通していったい何を伝えたいのだろう。(略)わたしは、自分が愛した作品を通じて伝えたい。リストの人間としての偉大さ、温かさ、格好良さを。ショパンのやるせなさを。そしてシューマンやドビュッシーの高貴さを” (168頁)

“わたしにとって、音楽は最高の楽しみ” (168頁)

 私はこういう人を尊敬するし、好きでもある。

“間違えたっていいじゃない。/機械じゃないんだから” (扉)

(求龍堂 2000年6月4刷)

岡本薫 『著作権の考え方』 

2005年06月15日 | その他
“《一定の条件を満たす「引用」のための掲載(コピー)は、例外的に無断でできる》/「教育」だけでなく、「出版物」「ホームページ」などへの掲載も対象となる。「一定の条件」は、次のとおり。①カギ括弧などにより「引用部分」が明確、②「自分が書いた部分(主たる著作物)」と「他人のものを引用した部分(従たる著作物)」の間に、「主従関係」がある(「他人のもの」のみで構成――というのは「引用」ではない)、③「批評対象」「研究対象」「自分の主張の根拠」などの「正当な目的」の範囲内、④引用を行う「必然性」がある(「俳句や絵画の批評」など、必然性があれば「全体の引用」も例外の対象。カラー、白黒、大きさなど、すべて「必然性」の有無の問題、アニメのキャラクターを「装飾」として使うのは必然性なし。キャラクターを引用できるのは、例えば「日本のアニメキャラクターの歴史」などという「主たる著作物」の中で批評・論評対象とする場合)、⑤「公正な慣行」の範囲内、⑥「出所の明示」がされている” (第4章「『権利を及ぼさない場合』の法律ルール」 同書101-102頁)

 私の場合、とりあえずこれだけ弁えていればいい。

(岩波書店 2003年12月)

瀬戸内寂聴/鶴見俊輔 『千年の京から「憲法九条」 私たちの生きてきた時代』 

2005年05月23日 | その他
 鶴見俊輔氏は『がきデカ』が好きだそうである。こまわりがこれからの日本人のあるべき姿だとさえ言っていたと記憶する。瀬戸内寂聴のような人と国家と社会のありかたや政治について話しあうということと併せて、私には理解できない氏の一面である。

(かもがわ出版 2005年4月)

板倉聖宣 『〔増補版〕模倣と創造 科学・教育における研究の作法』 

2005年05月04日 | その他
 何度か文章やアイデアを盗まれた私のような者には興味深い内容である。他人の模倣も満足にできない人間が分際知らずに独創などと思い立った挙げ句盗作や剽窃に走るという趣旨。

“わしはひとの手柄を盗むほど才の貧しい男ではない” (司馬遼太郎『新史太閤記』)

 こんなたかだかとした台詞をすらりと言える人間でありたいものだ。

(仮説社 1987年11月)

チョー・ヨンナム著 萩原恵美訳 『殴り殺される覚悟で書いた親日宣言』

2005年04月29日 | その他
 著者はこの特にどうということはない著書のために韓国国内でバッシングを受けて出演していた番組から降りる羽目になったそうだ。
 馬鹿馬鹿しいの一言のみ。ゴールデンウィークになってまで、阿呆な奴らの阿呆な騒ぎにいちいちつきあっていられるか。

(ランダムハウス講談社 2005年4月)

鈴木康之/坪井賢一著 『浦安図書館を支える人びと 図書館のアイデンティティを求めて』 

2005年04月26日 | その他
 東京圏に住んでいる頃、浦安図書館(浦安市立図書館)へは何度か行ったことがある。きれいで大きく、蔵書も多いという評判で、実際の印象もそうだった。もっとも市民ではなかったから、書架の蔵書を閲覧するだけで借りたことはないのだが。
 浦安図書館は中央館1館と分館6館から成る(私が行ったのはたしか中央館)。この本によれば、2002年度の数字で中央館・分館合わせて蔵書冊数96万9,807冊だそうである。同じく2002年度の総貸出冊数は171万513冊、1人当たりの貸出冊数は全国平均4.18冊、浦安市のある千葉県平均5.49冊に対して浦安市の平均は12.79冊、また100人当たり貸出冊数は、浦安市とほぼ同レベルの全国自治体(人口10~15万)のなかで浦安市は第1位(1,279冊)、ちなみに過去20年間連続第1位とのことである。市民1人当たり蔵書冊数は6.98冊(全国平均2.35冊、千葉県平均2.42冊)。すごい。
 しかしすごいと言っても要は他市の図書館であって、京都に住んでいる私が千葉の浦安にある図書館を使用できるはずもない。何故こんな本を読んでいるのか。
 浦安に限らず、図書館で働く職員の方々が日常どのような仕事をしておられるのかを知りたくなったからである。
 あまりに古すぎる本や普通の人が読みそうにない本(つまり所蔵されていない本)ばかりリクエストする私の無理無体な要求に応えてくださり、さまざまなレファレンス資料を調べて正体を突き止め、他分館や他市他県の図書館果ては国会図書館から書籍を取り寄せてくださる、京都市北図書館の職員の皆さんへの感謝の念とともにこの本を借りた。
 皆さんがいらっしゃらなければ私の仕事は成り立ちません。いつも本当にありがとうございます。

(日本図書館協会 2004年12月)

▲JR福知山線の脱線事故の死者は73名になった(午後7時のNHKニュースによる)。いまだに車輌内に閉じ込められている人々がいる由。原因はまだ明らかではない。いくらスピードを出し過ぎていたといっても時速100キロでは起こる事故ではないらしい。ニュースに出ていた専門家は、置き石の可能性も含めて複数の要因によるものだろうとコメントしていた。
 周囲の住民や会社員の人々が現場に駆けつけて被災者の救出や負傷者の介護に当たったと『京都新聞』で読んだ。頭が下がる。

鐸木能光 『パソコンは買ったまま使うな! フリーソフトで作る快適環境』 

2005年03月22日 | その他
 とりあえず、Windows XPの「視覚効果」を「パフォーマンスを優先する」に変更してみた。どんくさいXPの反応速度が驚くほど上がった。
 ○○さん、この本を読むように薦めてくださってありがとうございました。

(岩波書店  2003年12月第2刷)