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書籍之海 漂流記

看板に掲げているのは「書籍」だけですが、実際は人間の精神の営みすべての海を航海しています。

百目鬼恭三郎 『解体新著』

2007年03月16日 | その他
 再読。

“かつて鶴見俊輔は、新東宝のお化け映画を絶賛したことがある。その賞めかたにも、思想の科学的な戦略が多分に含まれていたけれど、このアメリカ育ちの人文科学者には、ふつうの人には月並みで退屈なお化け映画が、めずらしく、面白く感ぜられたことも事実であったようだ” (「ニューヨークの次郎長」 本書31頁)

 あくまで私が直接に知る限りにおいてだが、鶴見氏の賞賛する日本のコトやモノは(たとえば映画や書物。あるいは人物でもかまわないのだが)、実際に当たってみると当てはずれの感を抱く場合が、わりあい多い。その理由に関して、著者の仮説はかなり有効な説明たりえているのではなかろうか。特に後半部分である。
 「このアメリカ育ちの人文科学者には、ふつうの人には月並みで退屈な・・・・・・が、めずらしく、面白く感ぜられたことも事実であったようだ」
 ところで、続く比喩が唸りたくなるほどにキレがいい。

“それはちょうど、買い食いを禁止されている良家の坊ちゃんが、生まれてはじめて駄菓子屋で着色寒天を口にし、世の中にこんなうまいものがあったのかと感激するのに似ている” (同上)

 こういう見事な啖呵を切られてしまった鶴見氏には同情を禁じ得ない。
 だが著者はまだ手を緩めない。いったん、“落語でいえば目黒のサンマというやつで”と読み手の呼吸を外し、そのあと、

“この種の賞めぐらい無責任で、当てにならぬものはなかろう” (同上)

 と、対象の急所をあやまたず刺し貫く決めの句をだめ押しに持ってくる。
 この人はやはり名文家である。自分でもそう言っているが。

(文藝春秋 1992年1月)

百目鬼恭三郎  『新聞を疑え』

2007年03月05日 | その他
“これまでの新聞は、実際はともあれ、真実を追求することを建て前にしてきた。少なくとも、その格好だけはしないと沽券にかかわるとしてきた。ところが、近ごろは、その建て前が崩れはじめているようにみえる。
 いまは、小説やテレビをみても、人生を深刻に考えるといったものは古くさいとされ、無意味とか悪ふざけの傾向が台頭してきている。この傾向の基層になっている思想は、フッサールの現象学に代表される、事物の背後にある真実などというものは、人間にわかるはずはない、人間が知ることができるのは事物の表面に現われた現象だけだ、という考えかたである。これが科学的合理主義の反動であることはいうまでもないが、こうなると、ニュースで何が真実であるかをということを追うのはまちがいで、表面に現われた現象を追うほうが、正統的なニュースということになるのである” (「新聞を疑え――序にかえて――」 本書18頁)

“いまいった新聞記者の識見無用をつきつめて考えてゆくと、本来新聞には事物の価値判断など必要ない、という抜きがたい通念にぶつかるのである。この研究は学問的に価値があるのか、この絵は美術的にすぐれているのか、といったその事物が本来問われるべき価値を、新聞は避ける。いま流行の現象学の用語を借りるなら、「判断停止」ということになろう。そして、新聞が専ら問うのは、ニュース価値という得体のしれぬものなのである。(略)ニュース価値とは、広く世間の話題になるかどうかということであるらしい。平たくいうと、みんながおどろくか、みんなの関心を呼ぶような事物が、ニュース価値があるということになる” (「飛ぶ鳥の記(上)」 本書31-32頁)

 これらの文章は1984年に書かれたものである。時代柄、槍玉に上げられる対象が新聞に限られているが、これはこんにちでは「マスコミ」、あるいは「メディア」と一般化すべきところであろう。現に他の箇所では、著者も「マスコミ」と言い換えている。

“マスコミにとっては、世論をわきたたせるのが報道の目的であって、真実の究明などは邪魔でしかないということなのである” (「飛ぶ鳥の記(下)」 本書67頁)

 最新の例で言えば、たとえば安倍首相の従軍慰安婦発言をめぐる国内、および国外(なかでも韓国)の報道がそれに当たる。

   ●「朝鮮日報」2007/03/05 11:31、「慰安婦:『韓国人女性は強制と詐欺で慰安婦に』」   →http://japanese.chosun.com/site/data/html_dir/2007/03/05/20070305000032.html
   ●「朝鮮日報」2007/03/05 11:21、「慰安婦:『動員には強制性あり』=米政府機密文書」   →http://japanese.chosun.com/site/data/html_dir/2007/03/05/20070305000030.html

 本来の“強制性”(=軍の関与、国家権力による拉致)の存在証明は、この記事のいずくにかある。「世論をわきたたせるのが報道の目的であって、真実の究明などは邪魔でしかない」典型のような煽動・誘導記事である。
 
 参考:「池田信夫 blog」2007-03-03、「『従軍慰安婦』の政治決着は見直すべきだ」 
   →http://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo/e/56c1b3873ea7cf5ad9680d6cbf754a9e

(講談社 1985年1月第4刷)

内澤旬子 『世界屠畜紀行』

2007年03月02日 | その他
 世界各国における食肉処理()業とその従事者に対する差別の実態ルポ。家畜を殺して解体する作業の描写は、イラストを伴っていることもあって生々しい臨場感に溢れる(イラストも同じ著者の手になるもの)。だがテーマが本来持つ圧倒的な深刻さを軽いノリの文体で中和する(できると思う)発想が解らない。

(解放出版社 2007年2月)

長谷川慶太郎 『2007年 長谷川慶太郎の大局を読む アジア外交・世界経済・日米同盟』

2006年11月30日 | その他
 北朝鮮の核を恐れているのは米国ではなく中国だという見方に虚をつかれる。

(ビジネス社 2006年10月)

▲「Sankei Web」2006年11月29日10:04、「中国、報復判決か ウイグル人権活動家の親族に実刑」
 →http://www.sankei.co.jp/news/061129/kok006.htm

 報復であろう。以下参照。

▲「Aljazeera.net」, TUESDAY, NOVEMBER 28, 2006, 10:21 MECCA TIME, 7:21 GMT, "China jails Uighur activist's son"  →http://english.aljazeera.net/NR/exeres/F5D48377-8A26-4356-9539-EFB55037F056.htm

"When she was released from prison, Rebiya Kadeer was warned that if she continued her human rights work her family and businesses would be targeted" (Corinna-Barbara Francis, Amnesty Internaitional)

▲「Aljazeera.net」, TUESDAY, NOVEMBER 28, 2006, 20:52 MECCA TIME, 17:52 GMT, "EU nations 'knew of CIA prisons'"
→http://english.aljazeera.net/NR/exeres/6A5F6D9E-38AB-4010-9C2A-55E6056B8150.htm
▲「BBC NEWS」, Tuesday, 28 November 2006, 20:23 GMT, "EU nations 'knew about CIA jails'"
 →http://news.bbc.co.uk/2/hi/europe/6193010.stm

 ブッシュ政権は明らかにやりすぎている。

▲「池田信夫 blog」2006-11-30、「いじめのニュースはもう沢山だ」
 →http://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo/d/20061130

 コメント欄の内容も含めて全く賛成也。

甲野乙子 『悔やむことも恥じることもなく 京大・矢野教授事件の告発』

2006年11月08日 | その他
 ★「Wikipedia」、「矢野暢」
  →http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%9F%A2%E9%87%8E%E6%9A%A2

 一言でいえば、矢野暢は大久保清と同じ強姦魔である。ただし大久保清が被害者を強姦後肉体的に抹殺したのに対し、矢野はセクハラとパワハラによって精神的に抹殺しようとしたところが、わずかに異なる。

 ★「Wikipedia」、「大久保清」
 →http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E4%B9%85%E4%BF%9D%E6%B8%85

(解放出版社 2001年7月)

▲「Infoseek楽天ニュース」2006年11月7日、「NHKに取り上げられた 女子大生のブログ炎上 (J-CAST)」
 →http://news.www.infoseek.co.jp/topics/comp/weblog/story/20061107jcast200623721/
▲「Infoseek楽天ニュース」2006年11月7日、「『やらせ質問』常態化?八戸では10人中6人に依頼 (読売新聞)」
 →http://news.www.infoseek.co.jp/topics/society/cao/story/07yomiuri20061107i415/

 空耳かどうか、ニュース画面の向こう側から“だまされる人が悪いのよ”、“法律には触れてないぜ”と、開き直って凄む声が聞こえてくる。

▲「多維網」2006年11月7日、「王希哲来稿:请王丹就陈水扁20万美元对中国海外民运作出交代的联署声明」
 →http://www1.chinesenewsnet.com/gb/MainNews/Opinion/2006_11_7_10_32_11_710.html

 備忘のためメモ。

日本新聞協会編 『心がぽかぽかするニュース』

2006年10月18日 | その他
 ♪頑張った人にもたまにはマイクを向けましょね 夢のあるネタを届けましょう

 (「私の世紀末カルテ」、作詞・作曲:桑田佳祐、編曲:サザンオールスターズ。2000年末年越しライブ「ゴン太くんのつどい」バージョン)

(文藝春秋 2006年8月)

▲「大紀元日本」2006年10月18日、「中共青年団機関紙編集長、突如の人事異動」
 →http://jp.epochtimes.com/jp/2006/10/html/d83470.html

 備忘のためメモ。

▲「人民網日本語版」2006年10月17日、「呉邦国委員長、中日関係維持に5点強調 扇氏と会談」
 →http://j1.peopledaily.com.cn/2006/10/17/jp20061017_63989.html
▲「人民網日本語版」2006年10月17日、「曽国家副主席『日本を良き隣国と考えている』」
 →http://j1.peopledaily.com.cn/2006/10/17/jp20061017_63996.html

 備忘のためメモ。

Time, Asia edition, Monday. Oct. 16, 2006, "Climbing into Trouble"
 →http://www.time.com/time/asia/magazine/article/0,13673,501061023-1546397,00.html

 どうやら本当らしい。

▲「asahi.com」2006年10月17日、「トミーとマツが25年ぶりに復活」
 →http://www.asahi.com/culture/nikkan/NIK200610170009.html

 アメリカでスタスキー&ハッチが復活したから?