料理人の人気に寄生して、本の印税を稼ぎたいと目論むライターと、目立ちたがり屋の料理人、双方の利害が一致した結果が「サクセス料理人ストーリー本」の出版であります。 (「第二章 グルメ界の罪と罰」 本書39頁)
本当に「美味しい店」だけが雑誌などメディアに取り上げられているのではなく、メディアに取り上げてもらいたいという意志の強い店が雑誌に載っているだけなのです。 (「第三章 飲食店業界の常識・非常識」 本書78頁)
この著者についてネットで調べると人格攻撃が多い訳が分かった。言っている内容自体にはなかなか反駁できないからだ。例えば、「カード会社との契約を破って客に5%の手数料を負担させている飲食店がある」と書かれてあるのを、「そんなこと書きやがってけしからん」と言ったら、それは自分から「それはウチのことです」と白状するようなもの、「ウチはちがう」と言っても、こんどは「本当にそうか」と鵜の目鷹の目で真偽を確かめられ、ひょっとすると追究の手は料理にまで及び、これまで世間での高い評判(これこそライターとの持ちつ持たれつの甘い関係の成果だが)におおいに助けられていたところもあった自店の料理が、いまさらあらためて料理そのもの一本で日々真剣勝負しなければならなくなるやもしれぬ、料理というものは真っ当に取り組めば取り組むほど採算がとれなくなって赤字になるのに、やればやるほどにそこまでと判ってくれる客も少なくなってゆくのに。そりゃ恨み骨髄だろうわさ。
(新潮社 2009年11月 2009年12月4刷)
本当に「美味しい店」だけが雑誌などメディアに取り上げられているのではなく、メディアに取り上げてもらいたいという意志の強い店が雑誌に載っているだけなのです。 (「第三章 飲食店業界の常識・非常識」 本書78頁)
この著者についてネットで調べると人格攻撃が多い訳が分かった。言っている内容自体にはなかなか反駁できないからだ。例えば、「カード会社との契約を破って客に5%の手数料を負担させている飲食店がある」と書かれてあるのを、「そんなこと書きやがってけしからん」と言ったら、それは自分から「それはウチのことです」と白状するようなもの、「ウチはちがう」と言っても、こんどは「本当にそうか」と鵜の目鷹の目で真偽を確かめられ、ひょっとすると追究の手は料理にまで及び、これまで世間での高い評判(これこそライターとの持ちつ持たれつの甘い関係の成果だが)におおいに助けられていたところもあった自店の料理が、いまさらあらためて料理そのもの一本で日々真剣勝負しなければならなくなるやもしれぬ、料理というものは真っ当に取り組めば取り組むほど採算がとれなくなって赤字になるのに、やればやるほどにそこまでと判ってくれる客も少なくなってゆくのに。そりゃ恨み骨髄だろうわさ。
(新潮社 2009年11月 2009年12月4刷)