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書籍之海 漂流記

看板に掲げているのは「書籍」だけですが、実際は人間の精神の営みすべての海を航海しています。

『週刊金曜日』12/15号を読む

2017年12月20日 | 
 『週刊金曜日』12/15号を読む。水谷尚子氏のレポートが目的だったが、特集「櫻井よしこ様の頭の中」も読んでみた。特集名のセンスも表紙の似顔絵とあわせて興味深いが、その中の「哲学者 文藝評論家の山崎行太郎氏に聞く 保守が憂う「保守論壇」の劣化」など、私的には人選が雑誌側の思惑をおそらくは超えての時宜を得ていて、強く印象に残った。

 「一帯一路」の大号令の裏側で、郷里を追われる人々に、筆者は思いをはせたい。そして日本政府には、ウイグル人難民の受け入れと、トルコ在住ウイグル人難民の支援を強く求めたい。
 (水谷尚子「トルコ・カイセリのウイグル人亡命者たち(下)」同誌41頁)

ある所で「中国は崩壊する」と言われたと聞く方が、・・・

2017年12月20日 | 
 ある所で「中国は崩壊する」と言われたと聞く方が、その後べつの場所で「中国は崩壊しない」と仰っているのを、これはたしかに見た。両者同時に言ったら矛盾になるが、これは時間が間に挟まっている。だから『韓非子』の楚人は、「それはやってみないとわからない」と答えればよかったのである。

谷沢永一 『執筆論』

2017年09月05日 | 
 「私はこうして本を書いてきた」という副題ともども鹿爪らしい看板を掲げながら、その実随所に仕込んだ実名入りの学界言論出版界照魔鏡ぶりが哄笑を誘う。いや“閻魔さん”とかつて尊名を奉られたこともある御仁ゆえ閻魔帳か。

(東洋経済新報社 2006年5月)

特集ワイド:「私」が消えてゆく プライバシーは時代遅れ? - 毎日新聞

2017年08月08日 | 
 2017年8月4日 東京夕刊

 冒頭の岡嶋さんによると、若い世代の場合、誰も批判しない、似たような価値観の者同士だけで交流できる狭い『ネットワーク』で、いくつものキャラクターを演じるのがは普通のため、そこでひどく傷つくことは少ないという。あるいは、ネット上に解き放たれたプライバシーがどれだけ侵害されても、ひたすら慣れていく。そんなふうに、私たちは変わり始めているのだろうか。内面から離れた『自己』を遠目に見ながら。

 文学的である。ジャーナリズムの文章とはとても思えない。論旨の輪郭がぼやけて理解しがたい。右顧左眄のようにすらみえる。語り口も、「という」などとおちょぼ口で、なにか躊躇いがちな印象を受ける。というより、印象しかない。田中美知太郎師がいまに生きていたらどう評するか。いったい、プライバシーは時代遅れなのか、そうでないのか、「私(自己)」はこれからの人間存在にとって不要なのか、そうでないのか。

Jacques Gernet "Chine et christianisme" (Gallimard, 1982)について

2014年08月11日 | 
 最初、中国語訳で読み、(耿昇訳 『中国和基督教 : 中国和欧洲文化之比較』上海古籍出版社 1991年3月)、次いで日本語訳で読んだ(鎌田博夫訳 『中国とキリスト教』法政大学出版局 1996年3月)。
 両者、ずいぶんと印象が違う。邦訳に際して、「著者の希望によりわずかに削除、加筆、訂正を行った」そうだが(「訳者あとがき」)、中文版にも同様の処置が施されているかもしれない。とくにそう思ったのは「五 中国人の天とキリスト教の神」、「言語と思想」のあたりである。日本語版で310頁から319頁にかけて。
 以上、メモとして。

与那覇潤 『中国化する日本 日中「文明の衝突」一千年史』

2012年05月17日 | 
 表紙折り返し裏に「ポップで真摯、(略)ライブ感あふれる『役に立つ日本史』」とある。編集者のつけたのであろうこの軽薄極まるコピーは、筆者に責任はないはずだが、軽い喋り言葉でやたら太字の多い、まるで太田出版のようなノリの文章は、「この人は学会のトリックスターを狙っているのかな?」と思わせるに十分であった。それから、「役に立つ」かどうかは別として、「日本史」と断ってあるのに感心。日本史なら、出版されてから著者の中国史についての見方が一向深化もしなければ進展もしないのは、当然ではある。

(文藝春秋 2011年11月)

Know thyself!

2012年02月26日 | 
 匿名言論は言論に非ず。つまり twitter も、匿名が通用する以上、普通のネットブログや 2ch と、基本は権威や信用性や品位において何ら変わらぬということである。匿名の輩が実名を露している人間に対し、後ろめたく感じることもなく、対等の立場で物を言い振舞う奇妙さ。何か勘違いしていないか。名乗らない(或いはすぐに自分の正体がわかるヒントをどこかに残していない)時点で、君達はすでに格下なんだよ。

「朝鮮中央通信社論評、 卑劣な連中の醜悪な謀略・中傷」(平壌1月14日発)

2012年01月15日 | 
 〈http://www.kcna.kp/goHome.do?lang=jpn〉 

 南朝鮮(韓国)が卑劣醜悪なら、あなたがたは粗野野蛮でしょう。野卑と言ってもいい。まったく、韓国はおろかさらに品のない中国でも掲示板(「なにやら論壇」)あたりでしかみられない下品な言葉遣いを、国営メディアが平気でするのだから。
 以下引用。

【平壌1月14日発朝鮮中央通信】われわれに対する南朝鮮かいらいの謀略宣伝が、これ以上我慢できない境地に至っている。

昨年12月の哀悼期間、李明博逆賊一味の御用メディアは、父なる総書記の逝去の時間と場所をめぐって無作法にも罰当たりなほらを吹いた。

弔意の場で流す涙は「強要された悲しみで、演出されたもの」だの、何のと言ってわが人民の高潔な血の涙を冒とくした。

それにも満足せず、今やわれわれが「追悼行事の際、泣かない住民を収容所に送ったとし、脱北を試みる場合、3代を全滅させろと軍部に命令した」という歯ぎしりする謀略・中傷まで流している。

同じ天のもとで生きることをやめた背徳漢らの身の毛のよだつ妄動にこみ上げる憤激を禁じ得ない。

特に、謀略報道の時点をわれわれの大赦令発表日と一致させ、その内容も大赦令と巧妙に対峙させたのは悪態と虚偽ねつ造に長けている卑劣な連中だけが働ける悪行である。

逆賊一味はわれわれの一心団結を何よりも恐れ、ねたむため大赦令の真髄を骨抜きにし、人民大衆中心の朝鮮式社会主義を謗ろうと、このようにでたらめな謀略宣伝に熱を上げているのである。

今回の哀悼期間は、世界が指導者と軍民の渾(こん)然一体をなした朝鮮の一心団結の真の姿が分かる衝撃的な契機であった。

反共和国騒動に狂った逆賊一味は、わが軍隊と人民の血の涙の重さを死んでも理解することができないし、その歪んだ口から正しい言葉が出るはずがない。

綿入れとえり巻きでとめどなく降りしきる雪を防いで領袖の霊柩車の後をついていく軍民の限りなく純潔な衷情の世界を人間であることをやめた連中がいかにして想像さえできようか。

百回生まれ変わっても、民族の構成員になれない天下の人間のくずらである。

いかほどであれば、ロシアをはじめ各国の人士らがかいらいの謀略宣伝を断固と否定することによって、世界の前で憤怒の良心宣言をしたであろうか。

敵対勢力の醜悪なざまを見るわれわれとしては憎悪を超えて勝利の信念が百倍になる。

われわれは過去と同様、今後も永遠に誰が何と言ってもわれわれの一心団結をあらゆる面から強化し、すでに選択した道に沿って揺るぎなく進むであろう。

世の中の悪口集を集めておいて誹謗・中傷に血眼になって狂奔する李明博逆賊一味は、正義と真実の最も恐ろしい天罰を受けるであろう。

わが軍隊と人民は、最高の尊厳まで触れながら一心団結に泥を塗り、いわゆる「変化」を誘導してみようとする逆賊一味を代々孫々、最後まで追跡して最も身震いするように懲罰するであろう。---

謹告

2012年01月13日 | 
 一昨日あたりから精神状態が極端に低迷、思考と感性と意欲が鈍磨。泥にはまったイモ虫の如し。自我拡散。低血圧体質のせいか。わからん。仕事はなんとかできるが、能率は下がる。過去に幾度か経験有り。こうなると言うことなすことトンチンカンで、人様と交わると迷惑をかけることがわかっているので、週末は世間から自分を隔離してひきこもる。その間御用の方はメールでお願いします。もともと電話呼び出し音恐怖症の気味もあり、電話はご遠慮ください。子供たちゴメン。