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書籍之海 漂流記

看板に掲げているのは「書籍」だけですが、実際は人間の精神の営みすべての海を航海しています。

小津安二郎監督 『東京物語』(1953年)

2014年02月18日 | 映画
 カットが長い。撮影位置が低い上に固定されているから余計に長く感じる。当時はそれほど長いとは思われなかったのだろうか。香川京子さん演じる京子の清潔な美しさと、杉村春子さんの志げが見せる小商売の世界に染まった品のなさとに共に、平成にはない昭和の日本を感じる。

鈴木敏夫 『風に吹かれて』

2013年11月03日 | 映画
  やんなきゃいけないと思ったんですよ。でないと僕っていう人間が駄目になる。

 247頁の鈴木さんの一言、練達のインタビューアー渋谷陽一さんの、食らい付いて離れぬ粘りが引き出した本音か、それとも渋谷さんの狙いを先読んで、最もふさわしい場所でその狙い通りのセリフを吐いて見せた鈴木さんの演出か。

(中央公論新社 2013年8月)

北野武監督 『アウトレイジ』(2010年)

2013年10月28日 | 映画
 肉体的・言語的暴力の露出がモチーフなのだろう。続編のインタビューでそれらしいこと(後者について)を、監督自身が喋っていた。やくざ社会はそのための単なる借景という印象。やたらな殺人とか、街中でのあたりかまわぬ銃の乱射とか、犯行のあと死体を放置とか、非現実的なシーンが多すぎる。恐怖と嫌悪さえ催す凄まじいストーリーと描写だが、画面の端正さに、最後まで観てしまった。

ジョン・カサヴェテス監督 『グロリア』(1980年)

2013年10月25日 | 映画
 シャロン・ストーン主演のリメイク(1999年)ではなくてオリジナルのほう。
 ジーナ・ローランズという女優さんは、『ナイト・オン・ザ・プラネット』(ジム・ジャームッシュ監督、1991年)でしか知らないのだが、10年以上前に撮られたこちらのほうが老けて見える。人生に疲れた中年女の演技だったということだろうか。
 宮崎駿監督が何かの対談で、この映画について触れて、主人公も連れて逃げている男の子も、本当はどちらも死んでいると言っていた。私が自分の目で観てみた感想は、男の子は解らないが、グロリアのほうはまずそうだろうというものだった。宮崎監督が言うように、最後グロリアを運んでくるリムジンにネームプレートがないのは異常である。それに、マフィアのボスの部屋からあの状況で、あのエレベーターで逃げられたとは思えない。最初に一階からそのエレベーターを使って部屋へ上がる際に、「遅い」と主人公がわざわざ文句を付けているのは、これから起こる真の結果をそれとなく示すためかと思えた。最初から映画の結末を知っているが故の我田引水の深読みかもしれないが。
 男の子――フィル――のほうも死んでいるのかもしれない(つまりその場合、ラストシーンのピッツバーグ墓地での再会はあの世での話、あるいはそうあってくれればいいなという観客にとっての夢の部分ということになる)。だがそうではないかもと思うのは、その墓地で、フィルがある墓石に向かい、その墓石をグロリアに見立てて、"Gloria, I know you are dead. I want you to know that I know you are dead. I made it to Pittsburgh..."と語りかけるシーンがあるからである。

井筒和幸監督 『パッチギ!』(2004年)

2013年10月23日 | 映画
 再見である。面白い。出演者には関西出身でない人もだいぶいるが、劇中交わされる関西弁はアクセントを含めてほぼまともだとの印象。関東出身の小出恵介さんや真木よう子さんの口跡が驚くほど自然であった。しかし京都弁かとなると微妙である。朝鮮語については、私自身ができないので判らない。
 いや、面白いでは失礼だろう。好い映画だった(素人だからあまりこういう言い方はしたくないのだが、ほかに表現が思いつかない)。
 それにしても沢尻エリカさん、この人のことはよく知らないのだが、いかにも京都弁らしい喋りだと感じた。それにシーン毎のしぐさがきめ細やかで、つまり演技の上での注意が行き届いていて、ただ者でないと思った。

井筒和幸監督 『パッチギ! LOVE&PEACE』(2007年)

2013年10月23日 | 映画
 第1作『パッチギ!』(2005年)に感動して観かけたが、”違う”感じがして、最初の20分ほどで止めた。前作とは異なるパラレルワールドの話だと思えばいいのだろうが、5年後に康介がいない点で(第1作の最後から判断している筈、そして桃子もいない)、『パッチギ!』とは趣旨が変わってしまっていると勝手に思った。

「チャン・イーモウ監督の南京攻防戦『金陵十三釵』、主役は13人の女子学生―中国」

2011年12月13日 | 映画
▲「レコードチャイナ」2011年12月13日 11時30分、翻訳・編集/Mathilda。
 〈http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=56820&type=

 南京大虐殺記念館がいまさら犠牲者数を下げられないわけだ。
 それにしても張芸謀という人、昔と人(にん)が変わったのかどうか、判断のむずかしいところだ。

YouTube 「宇宙戦艦ヤマト復活編 戦闘シーン」

2011年12月06日 | 映画
 〈http://www.youtube.com/watch?feature=endscreen&NR=1&v=kob2GX3gCso

 ● CG 使うな。
 ●パネルの表示日本語フォントが海外海賊版の文字みたいで興ざめする。というか、明朝体を無暗に拡大するな。
 ●タツノコプロか? 『ガッチャマン』や『キャシャーン』ならかくあるべきだが、『ヤマト』にこの無機質な画風は似合わない。
 ●そもそもこの作品の存在を忘れていた。観てもいないし、これからもなかったこととしたい。