魚のぶろぐ

2006/5/28~。現在復旧作業中で見苦しいところもありますが、ご容赦願います。

メイチダイ

2011年09月22日 11時56分29秒 | 魚紹介

鹿児島・種子島沖の沖合底曳網で漁獲されたメイチダイGymnocranius griseus (Temminck and Schlegel)です。タイ科の魚ではないのですが、タイ科と近い、といわれるフエフキダイ科の魚です。

フエフキダイの仲間は熱帯域を中心とした分布域を持ちます。世界で5属39種、日本では5属28種(と、1未記載種)が報告されています。インド・太平洋域に多く分布していますが、東部大西洋に分布する種類もいます。

メイチダイ属は世界で8種、日本から5種、と1未記載種が知られています。分布域はインド・太平洋域に限られます。特徴としては頬部に鱗があり、胸鰭軟条数が普通14、主上顎骨に鋸歯状の突起を有しないことがあげられます。沖縄ではいずれの種も、食用魚として扱われています。

写真は、フラッシュをたいているわけではありません。角度によっては、鱗が青白く光っていて、綺麗です。メイチダイの特徴は、背鰭棘条部中央下における側線上方横列鱗数(TRac)が普通6(下の写真)、尾鰭上葉の先端がとがる、体高があり、体長は体高の2.2倍以下であることなどです。

この仲間は熱帯にすむものが多いのですが、このメイチダイはかなり北、東京近辺まで出現します。サザナミダイも、愛媛県で漁獲されていたりします。本種の分布域は南日本~西部太平洋と東部インド洋で、南西諸島にも少しですがいるようです。

この仲間は沖縄では「シルイユー」という名で呼ばれ、白身で美味しい魚といわれています。前にこの魚を食べたことがあるのですが、その時はちょっと、イマイチな味でした。今回刺身で食したのですが、これは前に食したものよりは、美味しいように思いました。ほか、煮付けも美味しいもの。まだ半身がありますので、焼いて食べてもいいかな、と思っています。

今週は、敬老の日が月曜日、秋分の日が金曜日にあり、休みが多い週末です。川などで遊ぶこともありましょうが、水かさの増減には注意しないといけません。

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カゴカキダイ

2011年09月19日 19時18分39秒 | 魚紹介

黄色と黒で、とくに大阪・神戸で人気がありそうなカゴカキダイMicrocanthus strigatus (Cuvier)は、磯釣り師にとってはおなじみの存在でしょう。そんなカゴカキダイも、沖合底曳網で漁獲されたりします。

今回のこの個体は鹿児島県・種子島沖で漁獲されたものですが、高知などでも底曳網によって漁獲されています。2枚目の写真は2009年5月に土佐湾で漁獲された個体。

高知沖のカゴカキダイは、残念ながら結構スレが目立ちます。結構深い、水深100m以深をひいているようです。種子島など、鹿児島沖では、水深100m以浅をひくこともあるようで、綺麗な状態で魚が入ってくれるのかもしれません。鹿児島沖合ではマダイやヒラメ、イシダイなどが漁獲されますが、カゴカキダイも同じくらいの水深にいて、一緒に入るものと思います。

カゴカキダイは、以前はチョウチョウウオ科に含まれていましたが、トリクチス幼生を経ないなどの特徴があり、現在ではメジナや、イスズミの仲間と近いカゴカキダイ科におかれています。学者の間では、この3科と、タカベ科をひとつの科とする意見もあります。

このメンバーの中にはイスズミやメジナなど、磯臭いものも含まれていますが、カゴカキダイは美味しい魚です。塩焼き、唐揚げなどいけます。今回も、唐揚げで美味しく頂きました。磯釣り師の皆様も、試してみてはいかがでしょうか。

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アカヤガラ

2011年09月18日 14時56分38秒 | 魚紹介

沖合底曳網で漁獲されたアカヤガラ Fistularia petimba Lacepèdeです

この細くて非常にユニークな魚も食用魚、しかも高級魚とされています。肉は白身で姿に似合わず、刺身や湯引き、汁もの、鍋物などで非常に美味しいものです。沖合底曳網ではたまに2m近くになる特大サイズのものも漁獲されるのですが、今回漁獲されたものは、全長1.04m、重さも1kg有りません。したがって、安価なものでした。

アカヤガラなどヤガラ属は世界中で4種がおり、日本には2種が知られています。このアカヤガラとされているものにつきましては変異なども多く、いずれ再検討が必要でしょう。

日本にいる2種のうち、普通食用となっているのは本種です。よく似たものにアオヤガラというのがいますが、この種はアカヤガラとは市場価格が大きく異なっています。アカヤガラは高級魚とされ、ちやほやされていますが、アオヤガラは値段も味もアカヤガラとはかなり異なるのだそうです。

アカヤガラは沖合底曳網の漁場としては鹿児島など南方の漁場でよく網に入ります。ほか、高知柏島などでは刺網、各地で定置網などによって漁獲されています。沿岸域のものは小型で、大きいものは沖合底曳網でないと漁獲されないのだそうです。

先にも述べましたように肉は白身でさまざまな料理に使えます。薄造りでは、卵のゆでたものも添え美味しく頂きました。高級魚ではありますが、産地市場などでは小型個体を安価で購入できます。宇和島市の某所では100円で購入できました。ぜひ、刺身などおためしあれ。

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チカメキントキ

2011年09月15日 10時39分14秒 | 魚紹介

 

キントキダイ科の魚のチカメキントキCookeolus japonicus (Cuvier)です。これも沖合底曳網で漁獲されました。キントキダイ科の魚も何種類か沖合底曳網で漁獲されますが、この種が一番大きく、高価なものです。

●チカメキントキの特徴

チカメキントキは、腹鰭がかなり長く、臀鰭の始部を超えるのが特徴です。この特徴をもつのは日本産ではチカメキントキと、クルマダイ属のみ。クルマダイ属の魚は本種よりも丸っこい格好で、縞模様がある場合も多く、区別可能です。

他のキントキダイ属魚類同様、眼が極めて大きく、僅かな光でも逃さないものです。

●仲間

チカメキントキ属は本種1種のみで、日本~オーストラリアまで、東西でいえば、南アフリカ沿岸~ペルーまでのインド・太平洋熱帯~温帯域、さらに北米と南米の大西洋岸と、極めて広い分布域をもちます。

キントキダイ科は4属18種からなり、日本には4属すべてが分布します。種類数は10種類と、クルマダイ属の未記載種が知られています。

●漁法

日本近海では主に沖合底曳網、釣り、刺網などで漁獲されています。このほかに定置網でも漁獲されますが、あまり大きいのは獲れないようです。

ほか、近年は遊漁の対象種でもあります。専門に狙う船もあります。従来はタイや、イサキ釣りなどの外道で釣れる程度でした。

●調理

肉は白身で、さまざまな料理に使え、味もよいものです。鱗は細かく硬いので普通は皮ごとひきます。

刺身にするとかなり美味しいものです。皮目の桃色と、肉の白色がいい対比となります。ほか、お勧めなのは煮付け。中骨も煮ると、非常に美味しいものです。

チカメキントキとアカイサキの煮付け。

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アカイサキ

2011年09月14日 07時47分23秒 | 魚紹介

雄型(Male)

 

雌型(Female)

底曳網では様々な魚が水揚げされています。今回の漁では鹿児島の種子島沖合の操業ということで、魚の種類もほかの海域のものとは違って見えます。

アカイサキCaprodon schlegelii (Günther)は、鹿児島ではよく漁獲される魚ですが、高知や愛媛でも、沖釣りによって漁獲されていたりします。高知沖ではこの魚を見ませんでした、生息環境の違いでしょうか。分布が違うと、住む場所(岩礁・砂地など)が違うのかもしれませんね。

●分類

アカイサキは、イサキの名がありますが、イサキ科ではなくハタ科のなかに含まれます。さらにそのハタ科の中のハナダイ亜科に含めることが多いです。ほかのハナダイと同じく、アカイサキには性的二型があり、雄と雌で色彩が異なっています。雄は赤い色に黄色の模様が入っていて、華やかなものです。また尾鰭の形にも変異があり、これについては現在研究が進められています。

●漁業

アカイサキは沖合底曳網では、「鹿児島沖」の漁場でよく獲れます。ほかの漁法では、釣りでも獲れており、その方法では愛媛県南部での水揚げもあります。八幡浜市場の呼び名は「ハナイサキ」で通っているようです。

食味としては、肉は白身、刺身や煮付けにして美味なものです。とくに、煮付けは絶品で、ご飯がすすむというものです。

高知で漁獲(おそらく、釣り)されたアカイサキです。雌雄中間?

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