新・ほろ酔い気分

酔っているような気分のまま、
愚にもつかない身辺雑記や俳句で遊んでおります。
お目に留めて下されば嬉しいです。

トゲトゲしくなった

2008年09月27日 05時31分19秒 | 身辺雑記

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    先日の夜、タクシーで移動中のこと。

 片側一車線の繁華街を走っていた。

 横断歩道のない道路を走行中、中年男女がパッと飛び出した。

 ドライバー氏がブレーキを踏んだ。

 同時に、飛び出し男女も、ギクッとして立ち止まった。

 立ち止まったまでは良かったが、ドライバー氏を睨みつけて突っ立ったまま。

「どうしたの?」 私がドライバー氏に尋ねた。

「あの二人、怒っているンですよ」 

 立ち止まっている男女に頭を下げながら、白髪のドライバー氏が答えた。

「へー、あっちが無理な横断したのに……?」 

「ええ、あんな人、多いですよ」 

 タクシーを見返りながら、中年男女が道路をわたっていった。たしかに怒っている様子だ。

「クラクションでも鳴らすもンなら、場合によっては大騒ぎになりますよ」

「そんなもンかねえ」 私は呆れながら言った。

「会社の朝礼では、クラクションは極力鳴らすなって言われてます。クラクションのトラブルが多いンです。特に夜は鳴らしませんね。酔っぱらいが多いですから……。中には、車を蹴っ飛ばす人もいますよ」

「若い奴?」

「いいえ、男女別や年齢に関係ありません。トラブルになって警察でもきたら、2~3時間は吹っ飛ぶので、私たちは頭を下げっぱなしです。イヤですねえ」

 ドライバー氏がしみじみと慨嘆した。

 ーーー さもありなん。  私としても、それは想定内の感じだった。

「私は30年くらいタクシーに乗ってますが、いつの間にか悪くなりましたねえ。とにかく、トゲトゲしくですよ」

 ドライバー氏の「トゲトゲしい」という表現に、とても真実味があふれていた。

 このトゲトゲしさは、いつごろから始まったのだろうか。

 なぜトゲトゲしい世相になったのだろうか。

 理屈をこねれば、原因を捻り出すことはできる。

 バブル崩壊後の社会の閉塞感を言う人がいりかもしれない。

 格差社会の進展に原因を求める人もいるだろう。

 根っこは教育問題なのだと言う人もいるだろう。

 政治や官僚に対する苛立ちなのだ、と説く人もいるに違いない。

 しかし、どんな原因を捻り出したところで、直ちに除去できる方法はないように思える。

 行くところまで行かなければ、もとには戻れないのではないか。

 まるで地球温暖化と同じだ。

 あらゆる事象に、もはや復元力はない。

 暗い気持ちのままタクシーを降りた。

 今日の記事はトゲトゲしかった。せめて膨らみのある写真と思い、鶏頭を載せた。

 2007年9月15日に撮影。

 今日は早い外出なので、早い投稿となりました。

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コメント (18)
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