安倍首相は、8月27日に内閣改造を行うそうだ。「安倍晋三の正念場」と言われているが、とんでもない話。今や日本の正念場なのだ。
安倍さんが内閣改造に失敗しても、元首相としてひっそり余生を過ごすだけかもしれないが、日本国は大きな混乱時代を迎えることになるのだ。
彼に代わるべき人物、自民党に代わるべき政党が、見渡しても見当たらない。代わるべき人物はいるかもしれないが、小沢民主党は、ここぞとばかり、反日的妄動を繰り返すに違いない。 小沢民主党は、政局を巻き起こし、政界再編成を狙っている。小沢一郎と言えども、今の民主党で政権運営ができるとは思っていない。自民党を巻き込んだガラガラポンで、小沢新党を作る魂胆だ。 小沢一郎に「信」が置けない。彼は古い自民党の正統的後継者だ。田中角栄に師事し、次いで竹下登の大番頭をつとめた。後ろ盾には、いつも金丸信がいた。 人気取り政策が多すぎる。農業対策などはその典型だ。収入不足を国が補填するのでは、社会主義経済ではないか。国の財政は更に悪化する。 「選挙の神様」のように言われていることも、危うさの一つだ。選挙のためには悪魔とでも手を組みそうだ。「年金問題」の元凶の一つとも言われている「自治労」幹部を、比例区の上位に置いて恥じるところはない。 つまり、安倍さんがふらつくと、政情混乱を巻き起こし、内政、外交ともに、大きく躓くことになる。だからこそ、安倍さんの頑張りが必要なのだ。 ぜひ改めてほしいことが二つ。 地方の実情に通暁している人物もほしい。都市は特殊だ。普通の地方がいかに疲弊しているかを、身体で受け止めている人物を用いたいものだ。 国家観や歴史観は、国と根幹を形作る。国のリーダーとしてはもっとも大事な要素の一つだ。
そのことによって失われるものは、あまりにも大きく計りしれない。
どんなにきれい事を言っても、国民は見ていて知っている。
そのことは諸外国も先刻承知のはずだ。
事務所経費で莫大な不動産を取得していたことも、見過ごしていいことではあるまい。彼が首相になれば、マスコミはどんどん突っ込むはずだ。
もっとも、小沢一郎も承知だろうから、自分はキングメーカーを決め込むに違いない。
国際社会における日本の立ち方についても、疑問がある。彼はいつでも、国連主義を主張する。しかし今の国連は、信頼に足る「真の中立性」を持っているのだろうか。そんなことは絶対にありえない。自国の利害を考えず、「真の中立性」で行動する国があるわけがない。自国の立場を貫く便法として、都合を見ながら使うのが、国連なのだ。
小沢一郎とて、十分に承知の上で、「国連、国連」と連呼しているのだろうが、現段階において、「テロ特措法」延長に反対しているのだから、危ういことこの上ない。国際政治をすら政局に使うつもりなのだ。
しかしこれも彼の本意ではなく、選挙対策のように思えるから、後々が危なっかしい。
一つ目は、二代目や三代目を重く用いないこと。実は安倍さんもそうなのだが、二代目や三代目は世間を知らない。政治は帝王学では学べない。とくに幹事長や官房長官などには、反対意見を述べられる気骨の野人を配置したらどうか。
他人の悲しみや苦しみを、身体で感じとれる感性も同じように大切だ。
そして、それらを敏感に感じ取ったら、果敢に行動することだ。熟れた実が木から落ちるのを待ってていては、人心は移る。