新・ほろ酔い気分

酔っているような気分のまま、
愚にもつかない身辺雑記や俳句で遊んでおります。
お目に留めて下されば嬉しいです。

頑張れ、晋三!

2007年08月09日 19時01分44秒 | 政治・経済

 先の参院選で、自民党が歴史的とも言える大敗を喫した。敗因は種々あったろうが、責任が安倍首相にあったことは明白である。小泉前首相は、「鈍感力で勝ち抜け」と言ったとか……。
 敗因の一つに「消えた年金」があったことは間違いないが、「政治とカネ」の問題に対する当該閣僚の対応と、弁護とも見える曖昧な安倍首相の対応に、主たる原因があったのではないか。

「消えた年金」については、内閣の責任が問われるのは当然であるが、実は安倍首相時代の不手際ではなく、歴代内閣の責任であり、厚生労働省と社保庁官僚の責任であった。
 労働組合の姿勢にも重大な問題があったことは言うまでもない。
 つまり、総理大臣は、結果としての責任を追及される立場にはあるが、社保庁の組織改廃や5000万件対応策を打ち出しているので、そのことだけで、大敗即退陣の声が大きくはならなかったと思う。

 しかしながら、閣僚の「政治とカネ」問題や不適切発言に対する安倍首相の対応には、まったく機敏さがみられなかった。
 内閣攻撃の合唱の陰に、マスコミや官僚の姿を見たのかもしれないが、国民の声でもあったので、安倍首相は、もっと敏感にかつ機敏に対応すべきであった。あらゆる場面における安倍首相の発言には、問題を問題として感じていないらしい不潔感や、仲間を庇う傲慢さを感じることもあった。「皆さんの指摘を真摯に受け止め……」と声を大にしても、言葉が上滑りして、誠実さは感じられなかった。適正を欠く閣僚を選んで任命した責任を、重く受け止めているようにも見られなかった。
 そんな時、赤城前大臣の膏薬問題や会計処理の不明朗が追い打ちをかけ、投票日を迎えてしまったのだ。

 あのテイタラクでは、国民の怒りは爆発して当たり前。私も、「やはり二代目や三代目では、国民の痛みや苦しみは分からないのだなあ」、と痛切に思った。「議員の世襲は絶対に認めない法」を制定してほしいと今も思っている。これはひどすぎた。

 つまり、自民党の敗因は、政策にあったのではなく、首相と問題閣僚のトラブルシューテイングにあった。国民の声に対し、あまりにも鈍感だった。野党やマスコミや官僚のヤラセだと思ったとしても、国民の声の形になっていたのだから、首相としては、神妙に慎重に、しかし敏感かつ果断に対処すべきであった。それまではなんとか自民党を頼ろうとしていた国民も、「赤城の膏薬」段階で、もう安倍さんを見限った。
 国民は小沢を選んだのではない。安倍さんに鉄槌を下そうとしたのだと思う。その結果として、自民大敗、民主圧勝となった。
「テロ特措法」の帰趨に懸念を感じつつ、「エイ!ヤッ!」と投票したのだ。

 自民大敗が決まった直後、安倍首相の「続投宣言」があった。
 当初、私は、「まずい!」と思った。自民大敗の敗因分析もせず、続投の必然性についての心を込めた説明もせず、一方的に、「続投」を表明した安倍首相の姿勢に、鈍感さと傲慢さと世間知らずを感じて、いい気分ではなかった。
「ヤッパリ、三代目はダメなんだなあ」と、私は思った。
 果たして安倍政権の正当性が確立できるのだろうか。疑問があった。

 森、青木、中川の3氏が密談し、「安倍晋三には降りてもらう」ことを決めていたという報道があった。それらの報道は、安倍首相にそのことを伝えたことも報じた。
 過去に、小渕元首相が病気で倒れた時、五者謀議で森首相を事実上決めたということがあった。それと同じ構図だった。まるで古い自民党丸出しの姿だった。
 安倍晋三氏は、古い自民党返りを嫌って、あえて、「続投」を表明したのかもしれない。

 マスコミはいい加減なところが多い。密談があったとされているが、事実かどうかは分からない。だが、三者謀議があり、その結果として降板を求めたのだとすれば、「続投表明」は理解できる。
「冗談じゃない!そんな古くさい自民党じゃダメ!」、との心意気に基づく「続投表明」なら、まあ、やむを得ないな、と思う。

 安倍晋三氏の「国家観」や「歴史観」には、もともと同感だ。
 しかしながら、首尾一貫していないのは、大いに困る。「村山談話」や「河野談話」を継承するという姿勢には、違和感を感じている。「私は従軍慰安婦の強制連行はなかったと思っているが、強制連行を詫びた河野談話はこれを是として継承する」、なんて、論理が合わない。逃げの姿勢なのかと疑ってしまう。しっかりとしたロジックで対応してほしい。

「戦後レジームからの脱却」も賛成だ。その一貫として、官僚体制の打破も進めてほしい。

 しかし、選挙に大敗し、「地方切り捨て反対!」の合唱の中で、求心力を失った安倍晋三氏が、政権の正当性を確立できるのだろうか。
 安倍氏に嫉妬していたグループや古狸たちが求める古い自民党に、またもや戻る気配が濃厚だ。
 そこに小沢一郎が加われば、政界再編成好きの政局屋が喜ぶ。政策より政局がメシより好きな面々が、ソロリソロリと顔を出しはじめそうな気配だ。これでは外交パワーがでるわけがない。

 実施目前となっている「郵政民営化」を凍結しようとする「凍結法案「を、民主党と国民新党で提案するようだ。日程から言って、成立はできないようだが、明らかに混乱を誘うための嫌がらせだ。

 自民党内のブレーキと民主党などの嫌がらせの中で、安倍晋三氏は何処まで頑張れるのだろうか。国会の早期開会についても抵抗され、9月に引き延ばされたようだ。
 喜ぶのはどこの国か。イヤな雰囲気になってきた。

 ブレない安倍晋三である限り、応援したいとは思っているのだが、これから半月ほどの難局を、しのぎ切れるのだろうか。
 すでに「死に体」の噂もある。

 頑張れ、晋三!

 古くさい古狸レジームは、打破してほしいものだ。

 政権を獲るためには、国を売ってもいいと思っている政局屋には、時間を与えてはならない。また10年が失われます。
 政局屋は楽しいだろうが、国民はたまったモンじゃない! 

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コメント (1)
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