なぜこんなに行儀が悪くなったのだろうか。
この行儀の悪さは、いつごろからだったのだろうか。
たとえば、電車内のお行儀。
「必要としている人がおります。席をおゆずり下さい」といった意味の注意ポスターが掲げられているのに、そのポスター直下の優先席に座っている若者たち。その前に、杖をついた老人が立っていても、若者たちはしらんぷりで仲間とペチャクチャ。
「優先席付近では、携帯電話の電源を切って……」、と車内アナウンスで注意喚起をしているのに、席に座った若者が、メールを読んでいるのか、ゲームをしているのか、コチョコチョと指を動かしている。アナウンスが聞こえているのだろうか。
先日はひどい光景に遭遇した。40代の母親と娘らしい高校生が、優先席にどっかり。まあ、その付近で座れない老人がいなかったのだから、座っていることはいいのだが、その母親と高校生が、携帯電話を見ながら、なにやら愉快そうに笑っている。
こんな母親に子供教育は無理だ。注意喚起のポスターは見ているはずなのだが、意味まで見えていないのだろうか。
このような注意事項は、本来はルールだ。法律的に処理されていないにしても、社会的に了解が得られる前提のもと、鉄道会社が半ば強制しているルールなのだ。
「この電車にお乗りいただいた方は、カクカクシカジカの理由で、○○○○をお守り下さい」、というルールであり、「乗せてくれ」「乗せましょう」の契約時の付帯条件に近い。
「お乗せいたしますので、その代わり、優先席付近では、携帯電話のスイッチを切ってくださいね」、といった感じだろうか。
電車の中の化粧も気になる光景だが、多忙な日常での時間配分の問題と思って、私は得心しかかっている。家事と育児と勤めの三つをこなしている女性にとって、車中は貴重な時間なのかもしれない。ホッと一息つけた自分の時間。
そんな貴重な時間の過ごし方について、イチャモンをつけては可哀想かもしれない。
確かにこのごろ、お行儀は悪くなってきている。
私も嘆いているひとりなのだが、コトにヨリケリなのかもしれない。
優先席での携帯電話の使用は、「できたら使用しないように……」ではなく、「使ったら降りてもらいます!」でなければならない。これはルールだ。
電車の中でのお化粧は、気になる行為なのだが、「ルール違反」ではない。家庭の状況も斟酌すべきであり、「お化粧は決まった所でなさったほうが、可愛いですよ」といった程度のことなのかなあ。
お行儀も、時代とともに変化する。
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