ほたるの居る里づくり、メダカの泳ぐ田んぼ、これほど消費者を説得できるキャッチフレーズは他にない。私もこのメダカの泳ぐ不耕起田にカルチャーショックを受けてこの農法の解明に現在がある一人である。岩澤信夫さんの技術は全国どこの地方へいっても通用する普遍性のある技術だからである。国や農水省管轄の研究機関が手を付けない点でもユニークであるし、吉川英治文化賞で「目立たないが社会的貢献度が高い」と評価しているが面白い判定である。
私の妻の実家がたまたま園原さんの高山村に近い長野市の上高田であるため2回ほど訪問した。彼は自分の息子さんが東京で生活していて30歳になるが2年間不耕起・堪水田の米を食べさせたところ、アトピーだった体質が改善され、すっかり肌がきれいになった。16、17人の農家の人も、自家産米の米を家族に送ると炊いた翌日の冷めたごはんが真っ白で臭いがないことを体験して「じいちゃんの作った米を食べたい」と生産意欲をかき立てられる。年を取って今時田んぼで草取りなんて本人はやめたい気持ちでいたのに続ける結果となっている。写真は園原さんの堪水田と彼のロマンを語るアジトに張られた園原語録