首都包囲網狭まる・・・リビア






 【カイロ時事】リビアで最初に反政府デモが起きた15日から24日で10日目を迎えた。最高指導者カダフィ大佐の率いる政府は東部の多くの地域を失った上、チュニジアに近い首都トリポリ西方の町が同日、反政府側の支配下に入ったと伝えられた。大佐の一族に相次いで出国の動きが出始めるなど政権の弱体化は明らかで、事態は重大局面に入りつつある。
 カダフィ大佐は同日、リビアのテレビに電話を通じて出演し、国民に平静を呼び掛けるとともに、反政府騒乱で死亡した軍・治安部隊の遺族に哀悼の意を表した。
 トリポリの西約40キロのアッザウィヤではこの日、激しい戦闘が発生。大佐は、アッザウィヤの部族に自らを支持するよう呼び掛ける一方、反政府デモ隊を「強盗」と決め付け、「自分の国を自分で破壊している。互いに殺し合いたいのなら、そうすればよい」と切り捨てた。
 エジプト国境からトブルク、ダルナ、ベイダを経て、第2の都市ベンガジに至る北東部の諸都市は、政府側の支配を脱した。24日には、ベンガジ南方の都市アジュダビアが新たに反政府側の支配下に入った。各都市では武装した反政府派の市民や体制から離反した将兵らが「民衆委員会」をつくり、秩序を保っているもようだ。
 一方、ロイター通信などは、トリポリの西約120キロのズワラも同日までに反政府側が掌握したと伝えた。目撃情報によると、ズワラからは警官や軍兵士が姿を消し、自動小銃で武装した民衆委が支配している。
 トリポリではデモが波及した20日以降、断続的に行われていた反政府デモ隊に対する武力弾圧が下火になった。街には政権側治安要員の姿が目立ち、多くの住民は家に閉じこもったままのようだ。(続)


リビア反体制派首都に迫る…死者2千人の情報

 【カイロ=長谷川由紀】最高指導者ムアマル・カダフィ氏の長期独裁に抗議するリビアの反体制派勢力は24日、東部に続いて西部の都市も次々と制圧し、カダフィ氏が滞在しているとされる首都トリポリ周辺に迫っている。

 ロイター通信は、首都西方120キロのズワーラが反体制派の手に落ちたと伝えた。一方で、24日にはカダフィ氏を支持する軍部隊が首都西方50キロのザウィアで反体制派の拠点となっているモスク(イスラム教礼拝所)を攻撃した。ロイターによると、この攻撃で少なくとも10人が死亡した。包囲網が狭まる中、カダフィ体制側も反撃に出たものとみられ、「首都攻防」を控えて事態は極度に緊迫している。

 ロイターは、フランス外務省筋の見通しとして、リビアでデモが激化して以降の死者は最大2000人に達すると報じた。

 カダフィ氏は24日、国営テレビを通じて演説し、あくまで地位にとどまる決意を改めて表明した。氏は、反体制運動のことを「(国際テロ組織)アル・カーイダが扇動している」などと批判した。

(2011年2月25日01時47分 読売新聞)
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
« ジャスミン革... 元沖縄県知事... »
 
コメント
 
コメントはありません。
コメントを投稿する
 
名前
タイトル
URL
コメント
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。