波と狛のつれづれ日記

日本スピッツ波と狛と、ときどき箔

日本一前向きな名前の駅

2018-07-21 01:50:45 | 探求シリーズ
こんばんは、白黒茶々です。
その駅は天竜浜名湖鉄道にあるのですけど、そのことを語る前フリとして、その鉄道の前身となる旧国鉄二俣線の話から入らせていただきます。



東京と大阪を結ぶ東海道本線は、昔から日本の重要なライフラインとなっていました。しかし、太平洋戦争が始まる気配が漂っていた頃に、艦砲射撃などで浜名湖の鉄橋が寸断されることを恐れて、そのバイパス線として山側を走る鉄道が計画されました。 そのコースの選定で紆余曲折あったのですけど、昭和15年(1 940年)に豊橋~新所原間は東海道本線に乗り入れ、さらに遠江二俣(現在の天竜二俣)を経て掛川に至る全線67.9Kmの国鉄二俣線が全線開通しました。その二俣線は、昭和62年(1 987年)に国鉄が民営化された際に経営が切り離され、第三セクターの天竜浜名湖鉄道(略して天浜線)として再出発しました。 それと同時に、湖西市内にある⚪⚪⚪という大きな工場の従業員の利便性を図るために、⚪⚪⚪前駅が新設されたのでした。



すぐにその駅を訪れたいのですけど、そうしたら今回の日記がすぐに終わってしまうので、もう少し焦らさせていただきます。
………ということで、私は豊橋駅にやって来ました。現在その駅には東海道線東海道新幹線飯田線といったJRの路線の他にも、名鉄線も乗り入れていて、それらは横一列に並んでいます。 その8番ホームまでが東海道線で、1 1 番ホームから東海道新幹線が割り当てられているのですけど、その間の9、10番ホームはどうなっているのでしょうか? まさか、魔法界に通じる秘密の空間とか………



いや、違います 実は豊橋駅には9、10番ホームに該当するホームがあるのですけど、それらの番号は割り振られていないうえに、関係者以外の立ち入りは禁止されています。 現在、ちょっと短めのその謎のホームは回送列車などの停留所などに使われているのですけど……… 勘のいい方はもうおわかりですよね?そうです こちらのホームは、旧国鉄二俣線で実際に使われていたものであります。
民営化にともなって、東海道線とカブる豊橋~新所原間は廃止されたのですけど、その名残がまだあったのですね。



二俣線の起点がわかったので、私は今度は新所原駅を訪れました。 そのうちの東海道線のほうの駅舎は最近建て替えられ、今風の橋上駅となっていました。その左端に、天浜線の新所原駅が併設されています。



その天浜線の車両は、第三セクターによくあるワンマンの1 両または2両のディーゼル機関車が使われています。 昨年はその沿線が、大河ドラマ「おんな城主 直虎」の舞台となったことにあやかって、期間限定で直虎列車が走っていたのですど………



今年はかつて東海道線で主流だった緑とオレンジの、いわゆる「湘南カラー」に塗り替えられていました。 実は私はその列車にお世話になった世代であります。しかし、その頃のその車両にはまだエアコンが付いていなくて、夏は天井で扇風機が回っていて、冬は足元から暖気が出てくるのですけど、局所的に熱いうえにドアから冷たいすきま風が吹き込んで来たのですよ。 それから、トイレにはタンクがなくて……… とにかく、昭和の電車でした。



懐しさのあまり、つい話が脱線してしまいましたけど、このあたりで軌道修正させていただきます。 今回は「日本一前向きな名前の駅」の話でしたね。その⚪⚪⚪前駅は、始発駅の新所原駅の次のところにあります。本来なら、天浜線に乗ってその駅を訪れるところなのですけど、外部からその核心に迫りたいので、車で向かわせていただきます。
同じ湖西市内に住んでいながらも、実は私は今までに一度もその駅を見たことも行ったこともありませんでした。



え~と……… スマホの地図情報によると、このあたりに⚪⚪⚪前駅があるハズなのですけど……… 電話ボックスが立っているので、あの先っぽいですね。



あった ありました。単線の線路に沿ったその先に、築31 年の無人駅のホームが見えてきました。



ということで、波ちゃがその階段を上り詰めたところで、いよいよその駅の名前を発表いたします



その名はズバリ「アスモ前」であります アスモとは、この近くにある大きな工場のことで、おもに自動車のワイパーやパワーウインドウなどを動かす小型のモーターを製造しています。



その駅のすぐ近くに、アスモへの通用口が設けられていました。 しかし、そのまわりには何もなく、アスモの正門は逆方向なので、正確には「アスモ裏」なのですよね。
さらに今年の春に、アスモは自動車部品大手のデンソー(愛知県刈谷市)と事業統合し、デンソーのモーター事業部に組み込まれました。それは事実上の吸収合併で、社名もデンソーに変わりました。 それに伴って、駅名も「デンソー前」とするところなのですけど………



「アスモ前」は「明日も前」とも読むことができ、どんな困難なことがあっても明日も前を向いていくという、前向きな姿勢に通じています。なんか、元気付けられますね。
それにあやかって、「アスモ前」の名前が刻まれたキーホルダーも作られ、新所原駅などで販売されています。 「アスモ前」の名前は人気があったので、アスモがデンソーになっても、その駅名だけは残ったのでした。



そうしているうちに、1時間に1本しか来ない(上下線が行き交っているので、正確には30分おきなのですけど)貴重な列車が姿を現しました。 今回は波連れなので、乗り込みたい気持ちをグッと抑えていたのですけど………
乗客がみんな、こちらを見ていましたよ ホームでワンコと一緒に見送っていたのが、珍しかったのかも知れません。



天浜線の列車が走り去ったあと、私たちもアスモ前駅を出ていき、電話ボックスの向こうの草むらの中に消えていきました。 ………なんて怪奇的な表現をしてしまいましたけど、ちゃんと生きています。 アスモ、いや、足も付いていますし、はい。とにかく、草むら(駐車場)に止めてあった車に乗り込んで、帰っていきました。


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2 コメント

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懐かしいっ! (もちた)
2018-07-22 09:24:29
こんにちは!
今回は鉄道ですね。
何やら田舎の無人駅で雰囲気のある場所ですね。普段人のいない駅に現れた珍しい犬と人。
何やら不思議な世界の住人の様でガン見してしまいますね。
しかしそちらより緑とオレンジの懐かしいあの電車の方に惹かれてしまいました。
私も良くお世話になったものです(^^)/
もちたさん♪ (白黒茶々)
2018-07-24 01:18:10
もちたさん、こんばんは~
今回は今昔含めて、鉄道を探求してしまいました。
休日のお昼近くに、私たちは無人駅を訪れたのですけど、列車に乗っていた方たちはその珍客にギョッとされたことと思います。 それでも、どうしてもローカル線が駅に停車するところをみておきたかったので。

緑とオレンジの湘南カラーの列車は、懐かしいですよね。 惜しい気持ちもあるのですけど、やはり今の乗り心地がアップした列車のほうを推します。

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