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マシュマロテスト(2)

1個でもいいや、という子は、2個食べるということよりも「早く食べる」ということに意識が行っています。

我慢することよりも、早く食べる、ある意味で言えば欲望が非常に直線的であると言えるのです。

一方15分間我慢して2個食べる、ということは1個、早く食べるというよりはやや欲望が複雑化しています。

つまり、複数の目標を掲げていると言えるのです。

15分間我慢すること。

1個ではなく2個食べること。

達成する要素としてはこちらの方が複雑で、ある意味高度であるのでしょう。1個でいいや、と思った子は、そこに魅力を感じていないのです。1個でいいや、早く食べよう。

この違いが最終的には大きな違いを生んでいる、と思えます。

つまり、小さい時にやや複雑な課題をクリアすることに、興味を持ち、それを達成する経験を積んで快感を感じられた子どもたちが、さらに動機を複雑化させることに興味を持つようになる、と思えるのです。

(といって、何も統計的なデータがあるわけではありませんが。)

小さい時に複雑な目標を立てて、達成した子どもたちがいます。

例えば野球のイチロー選手やサッカーの本田選手はその例でしょう。小学校6年生の時に本田選手の作文には「セリエAで10番をつける」ということが目標になっていたそうですが、これは相当に複雑な目標でしょう。しかし、それを達成するための快感を本田選手はもしかしたら、小さいときに体験しているのかもしれないのです。

そして、ただ目標を達成するよりも、より難しい目標を達成することが本人にとっては「やりたいこと」になっているのではないでしょうか?

で、最近はデータばかりが先行していて、偏差値がいくつだから、この学校を受けるというようなことになりがちですが、私は最初から行きたい学校を決めるべきだ、と思っています。

それは成績を上げることよりも難しい、複雑な目標です。それを達成するために我慢することも多いだろうし、勉強の仕方も工夫がいるし、難しい問題も考えなければいけない。

しかしながら、その1ステップ1ステップを達成していければ、子どもたちはある意味、受験ばかりでなく、もっと大きな目標も達成できるようになるのではないでしょうか。

そしてこの1ステップ1ステップで「ほめられなければ」いけないと思います。

人間にとって人から褒められる、認められるということはとてもうれしいことであるはずなのです。

だから次の目標を達成したい、と思うようになる。その経験の積み重ねがさらに「他の欲望を遅延」させ、セルフコントロールの力を身に付ける基礎になるのではないでしょうか。

早く塾に行かせる、ということよりも、「複雑な欲望」を達成する、ということに重きを置いてみた方が、子どもたちの能力は将来に渡ってさらに成長するのではないか、と私には思えるのですが。

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