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パターンからの脱却

算数の成績が悪いと、良く塾の先生は

「基本をまずしっかり身に付けましょう。」

というような話をします。

入試問題を見ていても、確かに前半、パターン問題が出ている学校は少なくない。

ああ、これやったことある、ああ、あれね、みたいに解ける問題があるので、そこを確実に得点することはまず大事なことです。

しかしながら、それだけでは実は算数の力は伸びません。

よく算数のテキストで数字だけ変わっていて、形は同じ、というような問題が並んでいるものがありますが、あれは確かに多少練習をする必要がある子どもにとっては便利かもしれません。

しかし、似たような問題をたくさん解いても、それができるようになるだけであって、それ以外の問題はできるようにはなっていない。

で、上位校になればなるほど、パターンにはまらない問題を作る。

実際に、よく練り上げられているなあ、と感心する問題が多いです。

こういう問題は、パターンで解けない。

つまりは、その問題自身を分析しないといけないわけで、図や表を書いてみたり、多少なりとも書き出してみたり、という工夫をしながら、その構造を突き詰めていくしかないのです。

だから、勉強には時間がかかる。

しかし、その時間をかけないと、なかなかできるようにはならないのです。

ある程度パターンの問題ができるようになるまでは、確かに塾の先生の言われる通り、基本を身に付けなければいけないでしょう。

が、基本を間違える、といっても間違え方には2つあります。

つまりわかっているがミスをした、という場合と、まだわかっていない場合。

基本を重視しなければいけないのは後者であって、わかっているがミスをしてできなかった場合に同じようなパターン練習をしたところで、本人にとってはあまりおもしろくないから、むしろ雑になっていくかもしれません。

わかっているなあ、と思ったら、多少難しい問題を少なく与えるべきでしょう。

すべての問題を網羅することなど、不可能です。

したがって、出てきた問題に対処できる力をつける。そのためには、じっくり解き明かす力を身に付けておかないといけない。

これは、本来はもっと早くからやるべきことではありますが、この時期でも大事なことです。

1問に10分、15分とかかっていても、そのウンウンとうなっている時間に力はついている。むしろ、「あ、これ、できない」と決めてしまうと、逆にできるようになるチャンスを失います。

算数ができるようになる、というのはこういう過程を積み重ねる以外にはありません。

そうやって、考えるうちに、「お、こうかも」と思いつけるようになってくると、それは段々力がついてくる証しです。

もう、時間を計って時間内に解くことばかりに練習がなっているとは思うのですが、やり直しのときなどは時間関係なく、解き明かす時間を作っていかないと、力はついていきません。

多少なりとも難しい問題に挑戦していかないと、考える力はついていかないので、やる問題はしっかり選んでください。

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