昨日、知人の丸本さん宅にお伺いした時に、部屋の中を見てまわっていたら、素敵な絵がいっぱいありました。 これはどなたが描かれたのですか、と聞くと息子さんのだといいます。
フリーのルポライター丸本武さんだというのです。 聞けば、高校卒業と同時に、世界各地に浮浪の旅に出かけたとのこと。 そのうち、世界各地で起きている出来事、特に紛争地の真っ只中に入って、写真と記事を発信する仕事を選ぶようになったというのです。
イスラムの世界で被り物をした女性が、目だけは見えるという社会にも長くいたようで、その奥底に光る目をキャンパスの中に描いていました。
雑誌に丸本武さんの顔写真がありましたが、厳しい環境で長くいたせいでしょうか、顔立ちは彫りが深く、無駄な贅肉がないというような雰囲気を持った写真でした。
お母さんから、本人がニューヨークから帰ってきたときに、自分の絵はまだまだ未熟だと痛感したと、話していたそうですが、私がそこで見る絵は、厳しい環境の中にも、冷徹にものを見ても何か温かい感じがする、否、本人の優しさが溢れているような感じがいたしました。
今朝、息子に駅に向かいながら、その話をしました。 すると、是非、その絵を見たいといっていました。 7月にまたお伺いするので、その折にお願いして、写真を撮らせていただくことにします。
生きるか死ぬかの紛争地の中で、真剣に生き抜いてきた武さんも、5月の1日に天に還っていったそうです。 改めてご冥福を祈ります。