「ししおどし」と金魚
紅葉亭横に「ししおどし」がある。
静かな庭にコーンコーンと澄んだ音が聞こえ、庭の静けさをより強調しているのだが、ただその中で気になるのがセミの鳴き声。この鳴き声は暑さを増幅させる。セミの声と「ししおどし」の音が静けさを相殺してしまうのが残念。
「ししおどし」のわきに小さな流れる池があり、無数の金魚が群れていた。
いかにも涼しげでしばらく見とれていた。秋にはこの池に紅葉したモミジの葉が散り落ち、金魚と落ち葉のコラボが美しく写真になる。
暑い夏の殿ヶ谷戸庭園はセミの声のほかは何も聞こえない静けさと、吹き抜ける涼風にほっとした安らぎを覚える。夏の庭園もなかなかいいものだ。