筆箱

 先日、電車の中で聞こえてきた、大学生と思われる女性の会話。
「『筆箱』落としちゃってぇえ、中にUSB入っているからチョーやばい」
「やばいじゃん」
「レポート書いたの入ってるから、出てこなかったら書き直しだよぅ」
「徹夜じゃん」

 「ペンケース」じゃなくて、今時の大学生も「筆箱」なんだ。筆が入っているのは小学生の時に持っていた「習字セット」。そう云えば、下駄なんか入っていないのに今でも「下駄箱」って云うね。回したりしないのに「(TVの)チャンネルを回す」って云うし(もっと云えば、回すのはダイヤル)、電話をかける仕草で、いまだにダイヤルの穴に指を入れて回す人も少なくないな。

 緑色をしていても「黒板」と云うし、皮で出来ていなくても「つり革」。一銭か二銭で入れたから「銭湯」だと思うけど「円湯」とならず、ましてや「千湯」ではなくスーパーの文字が頭に付いても「銭」に拘り「スーパー銭湯」だ。

 そう云えば1、2年前のことだけど、ある会議の記録として録音した物から会議の記録原稿作成を頼もうとして、さて何と云うべきか困った事がある。昔は「テープ起こし」と云ったものだが、録音に使ったのはテープレコーダーではなくICレコーダー。「原稿起こし」と云って無事に頼む事が出来たが、これもいまだに「テープ起こし」の方が通りがいいことだろう。一度定着した「言い回し」はなかなか変わらないと云うことなんだろう。


 例によって記事本文とは何の関係もない今日の一枚は、恩田の森の小径の脇に生えている柚子の木の下。近所の農家の方が植えたのだとは思うけれど、今は採る人もなく熟した実がぼとぼとと落ちています。柚子って確かにあるといいけれど、実が一つあると頑張って使ってもひと月は持つから、木が一本あったら親戚や近所中配っても持て余してしまいますね。
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