福岡市の小児歯科・矯正歯科・障害者歯科 ふたつき子ども歯科 院長日記

小児(障害児を含みます)の包括的歯科医療を提供するふたつき子ども歯科。子育てや食のことも含んだ、院長ブログ。

乳歯の癒合歯と永久歯の数

2012-07-10 | 口の中の問題

癒合歯とは二つの歯がくっついたような状況を言います。いかにも二つの歯がくっついたような形態もありますが、大きめの一つの歯のような形態の時もあります。癒合歯は乳歯の前歯、特に下の前歯に発生することがほとんどです。癒合歯があると、その後の永久歯の数は揃っているのだろうか、ということになります。統計的には1番目と2番目の前歯の癒合の場合、8割永久歯は揃っていますが、2番目と3番目(乳犬歯)の癒合の場合8割、2番目の永久歯(側切歯)が先天的に欠如しています。また上の前歯の癒合の場合、永久歯はほとんどの場合2番目の前歯が欠如します。
この患者さんは2番目、3番目の癒合が下の左右にあって、永久歯の生え換わりも近い年齢になりましたので、X線で歯の数のチェックをして、将来的な見通しをたてることにしました。



ふたつの歯がくっついたような癒合歯(写真左から2番目)。こちら側は3番目の永久歯(犬歯)はまだ低いところにあってぎりぎり下方に写っていますので、永久歯数の欠如はないようです。しかしながら2番目の永久歯が出てくるときに、癒合歯が大きいために自然交換が難しいかもしれません。





反対側は癒合歯といっても通常の乳犬歯より大きめの形態で、乳歯も完全に1本欠如したような状態です(右から2番目)。
こちら側は2番目の永久歯は欠如しています。結果、永久歯数が1本少ないということが分かりました。
最近永久歯の欠如が増えているという話もありますが、同じような客観的調査方法で比較した研究結果はありませんし、昔はそのような調査自体が行われていませんので、根拠のないことです。
でも一人ひとりみると、このような歯の欠如はそれほど珍しいことではありません。




ふたつき子ども歯科 http://www3.coara.or.jp/~futam

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