ワイヤー矯正治療は、一つ上の世代の患者さんだと、「痛い、時間がかかる、高価」というイメージが普通だと思います。
大学勤務時代は、スタンダードエッジワイズ法という、今振り返るとクラシックな方法で治療していました。
21世紀になると、ストレートワイヤー法のためのブラケット、そして形状記憶のニッケルチタンワイヤーが主流になりました。
さらに、よりワイヤーの滑りが良好なブラケット使用のシステムが開発されて来ました(フルパッシブ矯正)。
上は私の20世紀の症例で、抜歯矯正例です。
抜歯後のスペースを閉じるため、まず下の歯並びにクロージングループを組み込んで、奥歯を土台として、前歯をブロックで移動します。
上はこの後、側切歯~犬歯間に同様なループを曲げてスペース閉鎖を行っています。
このような処置は、特に前歯部分は痛みを伴うのと、1回調整での移動量はあまり多くはありませんが、時代的にはスタンダードです。
こちらは現在の抜歯矯正例。
前歯をブロックで移動するというより、やや細めのワイヤー(ニッケルチタン)が後方にスライドしながらスペースを閉じていきます。
加える力も、以前の半分ちょっとでOKと言われていますが、1回の移動量は大きいんです。
矯正費用はさておいて、治療期間が短く痛みも軽減しているのは、現代の矯正理論&材料を取り入れているからです。
ふたつき子ども歯科 http://fc-dental.jp.net