特に上の前歯の歯並びが気になると言うことで来院された、高校生の患者さん。
確かにそうですね。
下の前歯はそれほどデコボコではありません。また噛み合わせが逆ではありませんが、浅い状況です。
奥歯の噛み合わせをみると、下が前にズレた噛み合わせ。
下顎大きめで、前歯の位置が前方。ベースに反対咬合系の骨格があります。
年齢的にも成長発育、すなわち骨格系も出来上がっています。
上下ともブラケットを付けて並べれば、デコボコを改善するのはできます。
噛み合わせ的には、下の並びに上の並びを調和させることになりますが、骨格的に変えることはできませんので、上の前歯が前傾して歯並びは良くなります。
日本人の出っ歯は、実は反対咬合系の噛み合わせや骨格のベースがあって、上の前歯が前傾して何とか正常に噛み合っているパターン(デンタル・コンペンセーションといいます)が多いようです。
この患者さんの場合も、前方にある下にあわせて上の歯並び噛み合わせを変化させるので、上下とも出っ張った状況が予測されます。
これでは歯並び噛み合わせは良好になっても、口元の調和が不良となります。
口が閉じにくいとか、見た目だけでない別の問題が出てきます。
この患者さんは抜歯矯正を提案しましたが、直後は納得されていませんでしたので、抜歯なしでスタートしました。
上下のデコボコがほぼ改善したところで、やはり出っ歯感が出てきたため、納得されて抜歯矯正に移行したところです。
矯正は審美的な要素も大きいですが、審美的な調和が虫歯歯周病のリスク減少、良好な口の機能とも繋がります。
ふたつき子ども歯科 http://www3.coara.or.jp/~futam