福岡市の小児歯科・矯正歯科・障害者歯科 ふたつき子ども歯科 院長日記

小児(障害児を含みます)の包括的歯科医療を提供するふたつき子ども歯科。子育てや食のことも含んだ、院長ブログ。

永久歯が出て来ない例

2016-08-23 | 歯並び、矯正の話

下のX線写真は初診時のもの。



永久歯(中切歯)の方向が良くなく、正常に出て来ないだろうと指摘され、当院を受診されました。
向かって左側の歯の交換像は正常ですが、右側の乳歯は外傷で神経が悪くなり根の治療を受けています。こちら側は永久歯がまだ高いところに位置して、多分前傾していると判断されます。
外傷の影響で永久歯の位置がズレたか、根の治療をした乳歯の根が自然に溶けにくい状況によるものと思われます。

永久歯の出るパワーがある時期ですので、まずは乳歯を抜歯して10か月程経過をみましたが、方向の悪い永久歯の出具合はかんばしくありません。
ただし下の写真のように、高い位置ではありますが、徐々に中切歯の膨らみが認められるようになりました。







下方から見ると、膨らみが良く分かります。
この時点で「開窓」といって、歯が出やすいように膨らみの少し下の部分の歯茎を切除して出口をつくります。




開窓後6か月、前傾していますが中切歯が出てきました。側切歯が先に出て来ていますので、収まるスペースが少し不足しています。
これから先は、矯正治療で改善していきます。部分矯正ではありますが、ブラケットを付けてスペースをつくって、歯を正常な位置に移動します。
急激に移動すると歯茎や骨がついて来ませんので、ゆっくり1年弱かけて治療の予定です。歯が出てくればこちらのもの、と言う感じです。(出て来なくとも、外科的方法を併用して、結局はどうにかなりますが。)
乳歯の前歯は幼児のころに外傷しやすいのですが、外傷歯は生え変わりまでは経過観察が重要、とあらためて教えてくれる例です。




ふたつき子ども歯科 http://www3.coara.or.jp/~futam

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