1年位前のブログで登場した患者さん。その後の経過観察で来院してくれました。
この患者さん、すべて永久歯になっているのですが、上の歯並びのみの治療で済むのではないかと判断して治療開始。スムーズに改善して保定に移行しました。もともと上の真ん中付近の歯肉が肥厚気味で、移動によって歯肉が余ったようになりました。
矯正治療期間中に歯磨きが充分にできず、それによる歯肉炎もありましたので、装置を外してしばらく経過した後、レーザーにて歯肉の整形を行いました。
このような歯肉のたるみは歯並びの後戻りも起こす原因にもなるので、処置は必要ですね。
その後約1年。前歯の裏側に留めた固定装置(リテーナー)はまだ付けています。当然治療後の後戻りはありませんが、治療前には歯の捩れがありましたので、やや長期の固定が必要でしょう。
治療による改善よりも、その後の安定というのが重要で難しい部分です。
ふたつき子ども歯科 http://www3.coara.or.jp/~futam
日歯広報という、日本歯科医師会会員向けのタブロイド版新聞があります。最新版をみると、平成24年度の学校保健統計調査の速報が掲載されています。DMF歯数という、むし歯数+むし歯治療済の歯数+抜歯等で喪失した歯数を示す値がよく比較される基準です。世界各国での比較統計では、このDMF歯数の12歳児の結果がよく使用されます。この最新データが日本では1.10本。かなり先進国並みにむし歯は減ってきました(日本はむし歯に関しては先進国ではありませんでした)。他の国で同じような変化が起こっている主たる原因は、フッ素入り歯磨きの普及やフッ素塗布の一般化ということが言われていて、多分日本でもそうでしょう。
減って良かったばかりは言えず、12歳の頃は乳歯が生え変わってまだ新たな永久歯むし歯が出来ていない、一瞬の時期と考えた方が良いでしょう。むし歯があって、かつ集団検診で見つけることが可能なのは第1大臼歯(6歳臼歯)のむし歯くらいでしょう。以降の青少年期には第2大臼歯(12歳臼歯)のむし歯、全般的に歯の生え際や歯間の虫歯が増えてくる時期になります。ちなみに6歳臼歯のむし歯減少は、出始めで虫歯がなりやすい時期にはまだ保護者磨きも行われていたり、シーラントを受ける割合も増えていることが推測されます。
中学、高校生では、集団検診レベルでむし歯がない者の割合が半分に満たないという統計も同時にあるわけです。
話かわって、今週末は北九州市で九州矯正歯科学会が開催されます。勉強そして情報交換や情報仕入れに、日曜みではありますが参加したいと思います。
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