東洋人は、人種的に受け口的骨格、噛み合わせの割合が多いと言われています。しかし、歯並び噛み合わせに問題がある患者さんでみると、歯並びデコボコ、上の前歯が出っ張っている割合のほうが多いと感じます。
白人やヒスパニックは骨格的に上顎が大きい出っ歯の噛み合わせが多く、噛み合わせも前後的にズレているパターンがみられるのですが、日本人の場合、歯が大きいため上の前歯が前方に傾斜して出っ歯にみえるケースが多いと思われます。このような患者さんでは、奥歯の噛みあわせは問題ないわけです。実際、歯の大きさには人種差があって、白人に比べて東洋人の歯のサイズや厚さは大きいんです。
この患者さんの前歯が出ている理由は、噛み合わせが深いことと歯の厚みが大きいことです。奥歯の噛み合わせは良好で、歯の大きさと歯並びの大きさの調和は悪くありません。ちなみに、捻れている理由は不明です。
捻れをを治して、さらに前歯を後方に移動して隙間も閉じたいところですが、下の前歯が突き上げたようになっていますので、後方には動きません。歯の厚みは変えられませんが、噛み合わせを上げることで歯の移動が可能になります。この患者さんは取り外しできるプレート型の装置で治療可能でしょう。
この患者さんも奥歯の噛み合わせは良好。やはり噛み合わせが深く、下の前歯に突き上げられたように上の前歯が出っ張っています。
上の歯並びがV字型で、上下とも歯並びに比べ歯の大きさが大きく若干のデコボコはありますが、マルチブラケット法で噛み合わせを上げながら上下の歯並びの形態が調和するようにすれば、歯を抜かずに奇麗な歯並び噛み合わせになるでしょう。
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